宮入で石段を駆け上がる勇壮な神輿渡御で知られる上秦野神社(守屋忠宮司・秦野市菖蒲1417)の例大祭が、4月4日(土)、5日(日)に行われる。同神社に納められている菖蒲の神輿は建造230年とされ、県内では鶴岡八幡宮(鎌倉市)の神輿に次いで2番目に古く、担ぎ続けられているものでは最古だという。
菖蒲の神輿が建造されたのは天明5年(1785年)。2年前の浅間山の大噴火が引き起こした冷害で、大飢饉があった時期だ。
この歴史を資料から見つけたのが、菖蒲青年會の前會長で相談役の府川慎吾さん(32・菖蒲)。2011年に会長になった際、引き継いだ資料のなかに「宮大工の技術と伝統 神輿と明王太郎」があり、そこに建造年や由来などが記されていたという。
府川さんの會長就任の年に、東日本大震災が発生。神輿渡御も自粛し、何か地元が元気になれるものは無いかと考えていた時だった。
神輿の建造年を数えると今年が数えで230年目。この日のために、記念品として神輿の由来を記した手ぬぐいを用意。地元の人たちに配る予定だ。
菖蒲の神輿は、柱間の寸法が2尺(60・6cm)、台輪外法が4尺1寸(124・2cm)。これはその後、代々の明王太郎が造る神輿の標準となった。1997年に大修復を行ったが胴や井垣、また龍や鯉、獅子など繊細な彫刻も当時のものを残し、金箔や彩色などを施した。
府川さんは、「地域の皆様に感謝の気持ちを込め、歴史と伝統の重みを噛みしめながら盛大に神輿渡御を行いたい」と話した。
また同神社の由来によると社殿再建が文禄3年(1594年)とあり、今年が420年にあたる。4月3日(金)には例祭式が行われ、同神社守屋宮司は「420周年の記念でもあり、地域の皆様とにぎやかなお祭りが出来ればと思います」と話した。
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