県内でも有数の出荷量を誇る秦野産のカーネーション。担い手となる農家は市内に12件(2015年4月現在)あり、5月10日(日)の母の日を前に摘み取りが行われ、真紅をはじめとした色とりどりのカーネーションが出荷を待っている。
秦野市千村の生産農家、マルタ園芸では300坪の温室に25種(25色)、約2万3000本が栽培され、摘み取りが行われている。 色、木の丈夫さ、たくさんの輪付、花持ちの良さが「いい花」の条件。カーネーションを作り始めてもうすぐ半世紀を迎える、同園芸の小野孝允さん(69)は「私たち生産農家は、消費者に喜んでもらえるような品質の花を作らないと」と手塩にかけて育てている。
出来が陽気、天候に左右される植物。昨年は天候に泣かされたこともあったが、毎年、栄養がいきわたるようにと工夫を凝らし、「いい花」のために真心こめて手入れをする職人だ。また、消費者のニーズに応えるためカラーバリエーションも増やした。今年の出来について「木もしっかりしているし、1本に4〜5輪と輪付もいい」と胸を張る。
かつては市内に190を超えるカーネーションの生産者がいたが、今ではその10分の1以下になっている。高齢化や後継者不在、燃料の高騰などが生産者の減少に拍車をかけている。
それでも、市農業協同組合花き部会カーネーション部の部長も務める小野さんは「先人たちが築いてくれた『秦野のカーネーション』という名誉を我々は守っていかなければならない」と息巻く。同部でも「やっている以上はいいものを作ろうよ」と盛り立てている。
同園や秦野市内で生産されたカーネーションはじばさんず等で販売されている。
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