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秦野版 公開:2015年7月4日 エリアトップへ

大山灯籠行事 文化財に 200年続く習俗に光

文化

公開:2015年7月4日

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鶴巻下部大山灯籠の組み立て作業をする会員(昨年)
鶴巻下部大山灯籠の組み立て作業をする会員(昨年)

 秦野市の鶴巻第一自治会館(鶴巻南4の8の2)の敷地内に毎年「7月25日」に地元住民の手によって設置され、「8月18日」に解体される「鶴巻下部大山灯籠行事」が、6月23日に秦野市の重要文化財(無形・民俗)に指定された。市内の無形民俗文化財は「瓜生野百八松明(1975年指定)」と「瓜生野盆踊り(1977年指定)」に次ぐ3つめで、38年ぶりに指定された。

 指定の主な理由は3点。【1】かつては大山参りが盛んで、大山を望める埼玉、東京など各地域に集落単位で灯籠があったが、時代とともにその数も減っているなか、現存するという希少性【2】地元住民の手によって1700年代から現在まで続けられている習俗だということ【3】他の地域にも大山灯籠があるが、鶴巻下部大山灯籠には覆屋があることと、桜土手古墳展示館の霜出俊浩館長は説明する。

 灯籠の高さは2m64cm。「鶴巻下部大山灯籠」に関する古い文献は見つかっていないが、灯籠を支える竿部には明和6年(1769年)に作られ、文政5年(1822年)に再建されたと記され、「200年以上続く」とされる民俗行事だ。

 灯籠の周りに木材で作られた高さ3m42cm、幅3m38cm、奥行き3m23cmの覆屋が、灯籠とともに地域住民の手作業により1時間程で設置される。ところどころに金属部品が使われている形跡をみると、地域住民によって修復され、脈々と受け継がれてきたことがうかがえる。今年も7月25日(土)に設置作業が行われ、8月17日(月)まで、午後6時から2時間程度、灯明が灯される。灯籠の姿を見ることが出来るのは「夏山」の登山期間の3週間だけだ。

保存会安堵も「担い手を育てないと」

 現在の担い手は鶴巻下部大山灯籠保存会(久保寺保美会長・会員28人)。鶴巻下部祭りばやし保存会を前身とし、文化財指定に向け、新たに今年3月に灯籠保存会が発足。久保寺会長は「文化財指定を」と長年考えており、また、市生涯学習課文化財班も「1度は文化財保護委員に見てもらうべき」と考えていた。このことから同文化財班が動き、昨年、灯籠設置の際に大学教授、博物館館長など各分野の専門家で構成される市文化財保護委員が視察に訪れ、指定への検討を行った。

 灯籠に10年携わってきた久保寺会長は文化財指定を受け「ほっとした」と胸を撫で下ろし、「文化財に指定されたことで会員の士気にも繋がる。今後、長く、しっかりと管理していかないと」と襟を正す。

 一方で、設置・解体を手掛ける同会会員の最高齢は80代。会員の高齢化も進んできたため久保寺会長は「受け継いでいく次代の担い手になる若い人たちを育てていかなければ」と話した。
 

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