「サァーヤットー サァーエー」。夏の陽射しが照りつけるなか、太鼓のお囃子と威勢の良い歌声に合わせ獅子舞が家々をまわる。戸川地区に受け継がれる伝統行事、浅間大神の獅子舞が7月19日と20日に行われた。
一般的には、元旦行事として知られる獅子舞だが戸川地区では毎年夏に行われている。
由来は明治の初め。当時周辺の民家では水無川から引き入れた水を生活用水として使用していたが、夏場に飲み水による悪病が流行。その頃に、住民から寄せられた浄財で1872年(明治5年)に建立されたのが浅間神社だ。神社では毎年7月23日に無病息災、豊作を願う祭祀を行ってきた。明治後期になり、それまで正月に行っていた獅子舞も病気が流行りやすい夏祭りの時期に合わせて実施するようになったという。
獅子舞の担い手は、時代とともに青年団から子ども会へと移り、戸川の中地区で2009年に設立したのが「戸川中獅子舞保存会」(渋谷貞男会長・76)だ。
若い世代や子どもたちに参加を呼び掛け、今年は7月に2回、児童館で小学生が太鼓のお囃子を練習した。獅子舞行事当日の20日は、保存会のメンバーと昨年より多い小学生7人がそろいの法被で参加した。
子どもたちの太鼓や歌に合わせて、シャンシャンと鈴を鳴らしながら獅子が舞う。法被は通気性の良い夏仕様だが、午前中にはすでに汗でびっしょりだ。メンバーらは各世帯の庭先や玄関で無病息災や家内安全を祈願しながら、地域の約350軒を1日がかりで回った。参加した鈴木悠也くん(北小3年)は「疲れたけれど楽しかった」と感想を話した。
渋谷会長は「今年は非常に暑いなか子どもたちも頑張ってくれた。この伝統を絶やさない様にしていきたい」と話した。
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