11月1日で創立100周年を迎える秦野市立本町幼稚園(加藤しのぶ園長・135人)で10月10日、記念運動会が行われた。オープニングで園児らは自分たちが育てたヒマワリやナデシコ等の花の種をエコ風船に付けて空に放ち、周年を祝った。県内に現存する公立幼稚園の中で最も古い歴史を誇る同園は、これまでに1万7024人の卒園生を輩出している。
同園の創始者は、市内の女性、三武ナミ(上宿)、横溝モト(上宿)、平野セン(大道)の3氏。子どもに恵まれなかったからこそ「秦野の子どもたちのために」と幼稚園教育の重要性を説き、当時の秦野町長や教職員、地域の人々の賛同・協力を得て、1913年(大正2年)、秦野地域で初の幼稚園となる私立秦野幼稚園を設立した。
当初は資金不足のため3氏はざるを手に支援を求めて町内を回り、玩具も手作り。町内の人々も玩具や備品を寄贈する等協力した。
設立から2年後、秦野町が同園を引き継ぎ、1915年に町立幼稚園に。その後も秦野の幼児教育の先駆けとして役割を担った。
園に残る資料によると、昭和初期の遊具は木馬や竹刀、改良積み木、箱庭用具など。終戦間際には、園舎に軍隊が駐屯し、園児は小学校の工作室で保育を受けたと記されている。
大正時代100人前後だった園児数は戦後のベビーブームで急増。1973年には最多の634人に。近年は130人前後で推移している。
100周年に向けて同園では、職員や歴代PTA役員などによる記念事業の実行委員会を発足。実行委員長の横溝夕紀子さんは、創始者の横溝モト氏の親戚筋に当たるという。
今回の運動会もこの記念事業の1つ。工作した大きな誕生ケーキを囲み、園児たちは空へ昇る風船を笑顔で仰いでいた。
加藤園長は「何世代にも渡り園に通ったご家庭もあると聞く。先人の方々の情熱や地域の方のご支援に感謝し、充実した幼児教育の実践に努めたい」と話した。
10月24日(土)には、創立100周年記念式典が開かれ、園児や保護者に加え、自治会や老人会など地域の人も多く参加する予定だ。
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