秦野、小田原など近隣12の自治体に通学、在住する高校生8校23人が参加した、第31回イングリッシュ・スピーチ・コンテスト(主催・小田原ライオンズクラブ)が9月27日、小田原市民会館で行われ、秦野曽屋高校に通う耿贈朝君(2年)が優勝した。
中国・南京で生まれ、小学5年の時に来日した耿君。中国にいたときは、土地柄、太平洋戦争のことなどで、日本に対してマイナスイメージを持っていたが、一足早く日本で暮らしていた両親からの「いいところだからこないか」とのすすめで移住を決めた。
実際に住んでみると、日本人の優しさ、親切さに触れ、中国で培われたイメージが誤解であったことに気付き、おのずと日本に対するイメージにも変化が現れ始めた。
スピーチでは尖閣諸島をテーマに挙げ「日本に住む中国人という少し特別な存在の僕がこの問題をどのようにみるか」を熱弁した。
驚き与え、情熱込めた5分間
制限時間5分の中で、冒頭は中国語での自己紹介というサプライズスタート。驚きを与えた次の瞬間「Oh! I'm sorry.」と英語に切り替える演出を加え、会場の関心を引き付ける。
本題のスピーチは身振り手振りを交えながら、天然資源の所有権に着眼した尖閣諸島に対する日本と中国双方の主張を解説。耿君は「中国人であり日本に住んでいる僕だからこその良い提案がある」と切り出し、中立的な立場から独自の意見を述べ、結びには、「あなたはこの問題をどう思いますか」と投げかけた。
スピーチ内容全てを暗唱し本番に臨んだという耿君。ペンケースの中には暗唱のために使い込み、くたびれた原稿用紙が入っていた。本番では「手がしびれるほど緊張した」というが、同校英語サークル部の横尾紀子顧問は「訴えかける情熱が伝わるスピーチ。緊張を感じさせないほど堂々としていた」と評価。
優勝は「予想していなかった」といい、「英語は日本で学んだ。僕は中国語のピンインがあるから、英語がスムーズに話せたのかも。僕の他にも優秀な生徒がたくさん出場しているのに、優勝できたことは相当嬉しかった」と無邪気に笑った。
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