秦野市千村にある、日立ITエコ実験村(細渕良之村長)と市立堀川小学校(堀川105の3)をSkype(スカイプ)(インターネットを利用したテレビ電話)で繋ぎ、同村で活動する千村ネイチャー倶楽部の会員らが、中継を通して同校5年の理科の授業を支援する取り組みが10月22日に行われた。地域と学校が連携し、通常授業を支援するのは県内でも珍しい取り組み。
授業支援の話しが持ち上がったのは昨秋。エコ村前村長の谷光清さんが雑談の中で同校に話をしたところ、「面白い取り組みになりそう」となり、今夏から本格的に計画された。
堀川小では、この授業の目的を地域住民との交流、理科授業の勉強意欲向上、同村の知名度アップとしている。これに加え同村では、地域住民の生きがいづくり、教諭の多忙解消等を挙げ、更に、地域が学校に入ることで新たなコミュニティーが構築され、いじめや非行、暴力行為の撲滅等に将来的につなげたい考えだ。
今回は、「流れる水のはたらき」という理科のまとめ授業を支援。同村と学校それぞれにスタッフが配置され、同村に設置されているナノ水力発電機さくら1号の動きを紹介した。さらに、同発電機を開発した日立OBで同倶楽部会員の大森哲男さんらが発電機の説明をするとともに、児童の質問に答えた。
「今回の授業が少しでも記憶に残るように」との教諭らの思いから、事前に知らされなかった中継授業。当日教諭から児童に説明があると、「すごい」と驚きの表情に。現地が映し出されると、「何これ」「こんな設備があるなんて知らなかった」「面白い」と子どもたちは一気に引き込まれ、普段と違う授業を楽しんでいた。
また、教室には今回の授業のために大森さんが手作りした手動発電装置も置かれた。現地の水力発電機の動きとリンクするように手動発電装置を動かし、仕組みがより分かりやすいように配慮されていた。
授業が終わると児童たちは、「こんな近くに水力発電機があるなんて驚いた」「今度見に行きたい」「一歩間違えれば災害も引き起こすけれど、飲むことも電気も作れる水ってすごい」等の感想を述べた。
同村関係者は、教室の状況が分かりづらいなかで説明する難しさを実感したという。「分かりましたか」の問いに「分かった」と大きな声が返ってきたときは「とても嬉しかった」という。さらに、同村のライブ中継という形でITを活用した授業支援が実施できたことで、「千村ネイチャー倶楽部の活動を少しでも広げられる兆しが見いだせたと思う」と話した。
日立ITエコ実験村は、日立が地域や大学とともにITを活用しながら里地里山の自然環境を保全する活動を進めているエリア。希少な、または貴重な野生の生き物が生育、生息している湧水地で、市の生き物の里に指定されている。
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