秦野市堀山下の上関(かみぜき)自治会(外山誠信会長)の地域内で目に留まる、色鮮やかなマンホールの蓋。同会の大木伸男さん(71)を中心に、「少しでも楽しい町にしたい」とこの夏に会員らがペンキを塗ったものだ。
地域に約80カ所あるマンホールのうち、色付けしたのは市道や消防分署敷地内にある計5カ所。蓋のデザインは、秦野市の花であるナデシコやカタツムリがモチーフとなっている。13個のナデシコの花が描かれた蓋は着色する花の数を変えてあり、「ここは何個」と探すことができる遊び心も加えた。周辺の道は地域住民だけでなく大倉方面へ向かう人の散策路としても利用されているという。大木さんは「道行く人たちに楽しんでもらえたら」と話した。
ペンキは市販のものを使用。専門業者の焼付塗装と比べて色の保持が短期間のため、色落ちが目立つようになれば修復する予定だ。
きっかけは約2年前。当時の自治会会長だった大木さんが、愛好家によって様々な図柄のマンホールが「路上の芸術」として紹介されているのを知り、自分たちの町も色鮮やかにしたいと動き出した。市への要望や会員らへの呼びかけを重ね、昨年の4月、外山会長らの協力のもと正式に市への許可申請を行った。
マンホールを管理する市上下水道局は、塗装によるスリップなどの懸念を考慮し、交通量が少なく行き止まりになっている4カ所で許可。消防分署内の1カ所は同署から許可をもらった。
今年の5月頃に古い蓋を取り寄せて着色試験も実施。本番の8月13日には、子どもを含めた8人が参加し絵筆で色付けをしていった。大木さんと外山会長は完成後のマンホールを見て、「いい色に仕上がった」と笑顔を見せた。
同局によると、これまで開発や区画整理の事業主の意向で塗装されたことはあったが、市民による塗装は初めて。大木さんは「これからも増やしていきたい。市全体に広がれば嬉しい」と話した。
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