公益財団法人日本鳥類保護連盟神奈川県支部(小泉俊江支部長)が11月13日、震生湖で初めてテグス(釣り糸)拾いを行った。当日は県内各地のメンバーや連盟本部の吉田裕樹さんが参加し、湖畔を巡回した。
鳥類等の野生生物保護や調査研究、自然環境保全などを行う同支部。今まで相模川でテグス拾いを行っていたが、釣り人が多く訪れる震生湖に大量にあると聞き、初めて実施することとなった。
現地で目に入ったのは、クモの巣のように枝にかかる大量のテグス。「湖面近くに木がある震生湖ならではの光景。これは舟がないと回収できない」と、湖畔の地面に移った。ここでは釣り人が捨てたものが長い年月かけ埋まったと推察されるテグスが、熊手でかくたび大量に掘り出された。これも流れがない震生湖の特徴で、参加者らは「量が想定以上。きりがない」と驚いていた。
最初の場所を切り上げ他の水辺2カ所と反対側を回ったところ、半日でテグス95g、おもり40g、疑似餌35gを回収。「これはごく一部でしかないし水の中にもあると思うので、今後も定期的に続けていきたい」と小泉支部長は話した。
マナー呼びかけ
海洋生物に影響を与えるマイクロプラスチックのように、放置されたテグスや疑似餌、釣り針が野鳥に絡まる・誤飲するなど問題視されている。小泉支部長によると以前、秦野でも南が丘で釣り針を飲み込み死んでいたカモメが発見されているという。また、参加者の1人である高橋道夫さんは湯河原町の千歳川でルアーが絡まり片足歩行するアオサギを見つけている。
小泉支部長は「テグスや疑似餌、おもりは決して自然にかえらないし、飛んで逃げられる野鳥は本当に弱るまで捕獲して助ける事が困難です。自然環境や野生生物を守るためにも持ち帰ってほしい」と、釣り人へのマナーを呼びかけている。
地元ルアーマンが仲間と清掃活動
また、震生湖でルアーフィッシングを楽しむアングラーの立場から震生湖をきれいにしようと11月20日、今泉台在住の山口達朗さんとその友人たち5人が集まり、周辺の清掃活動を行った。山口さんらはボートを持ち込み、湖畔組と湖面組に分かれ、釣り糸やごみを拾う作業を実施。
ボートの作業では陸地から手の届かない湖面に張り出した木の枝に引っかかった釣り糸を取り除いた。
ブラックバスなどを狙うルアーフィッシングでは、釣り人がルアーを投げ込む際に誤って木の枝に引っかかり、そのまま糸が切れてしまうこともあり、自ら回収できずに枝先に釣り糸が垂れ下がっているところが点々としている。山口さんは「地元の湖の自然を大切にしたい。ずっと釣りを楽しむためにも、ゴミや釣り糸は残さず必ず持ち帰って」と話した。
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