本町四ツ角周辺の昭和初期看板建築の代表格として市民に親しまれている、五十嵐商店(本町2の4の9)。現在閉店している同店を活用しようと、市民まちづくり活動グループ「市民が創る秦野のまち」(福田省三代表)が動き出した。
明治期に開業した同店は、生活雑貨を扱う卸問屋兼小売店だった。店舗は関東大震災後の1925年に2階建てで造立。1927年に3階を増築した際、古典主義的な洋風建築に改造された。店舗敷地内にはこの木造洋風3階建て店舗建築のほか、第1号から第5号までの倉庫がある。1989年には、「かながわの建築物100選」に指定された。
2006年12月に店主の五十嵐勝世さんが亡くなり、閉店。息子の五十嵐幸治さんが片付けなどで訪れて建物を開けるのみとなっていた。
同グループでは「近代たてもの見て歩き」という催しで市内各地の歴史遺産を見学するなど、秦野らしいまちづくりを考える活動を行っている。同店の建物においても、五十嵐さんの好意によって見学会を実施するなどしてきた。
活動の中で「周辺に歴史的な土蔵や和風店舗などが残り、秦野の近代歴史ゾーンとして魅力あるエリアになりうる」「市民が利活用することで旧市街地・四ツ角再生のキーポイントになりうる」として同店の活用を検討。今年に入ってから五十嵐さんに、店舗右側にある第4・5倉庫の利活用に関する共同運営を提案し、8月6日に建物の貸借に関する基本合意書を取り交わした。将来的には店舗や他の倉庫を含めた全施設の利活用を目指すという。
同グループでは今後、倉庫の掃除や整備、倉庫内にある商品のガレージセールなどを企画。さらに音楽会、市民活動発表スペースなどとして事業を展開していく予定。
五十嵐さんは「簡単につぶせるものではないので、何とかしたいなと思っていた」と話し、福田代表は「この地域の復活の拠点として、歴史的なものを生かしたまちづくりをしていきたい」と語った。
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