入学式で配られた本
市内13小学校で５日に行われた入学式で、新入学児童の保護者全員に宮崎駿氏著の「本へのとびら（岩波新書）」が贈られた。本には宮崎駿氏直筆のメッセージが入ったしおりも付けられた。
この本はある市民からの寄付金で購入されたもの。この市民は「秦野の子どもたちのために何か自分ができることをしたい」という想いから、平成17年度から毎年、学級文庫の本を購入するための費用を市に寄付してきた。
寄付を受けた市では平成18年から毎年、幼稚園・保育園・小学校の数クラスに１万５千円ずつ学級図書購入費として分配。昨年までに、全クラスに寄付金が回った。子どもたちには「”ウィングクラブ”という方からいただいたお金でこの本を購入した」と説明していた。
「本好きは親から」
図書購入費が全学級に一通り巡った今年度は、寄付者と市が寄付金の使いみちを相談。「子供が読書を好きになるためには、まず親の意識を高めなければ」ということから、新小学１年生の保護者に本を配布することになった。本は、宮崎駿氏の作品をみて育った保護者世代が多く、寄付者も内容に感銘を受けたことから、同書に決まった。
市担当者が岩波書店に「この事業にあたり、宮崎駿氏本人から何かコメントを寄せてもらえないか」と打診したところ、出版社が（株）スタジオジブリに協力を要請。そして同社から市に氏直筆のメッセージ（写真）が送られてきた。本には、メッセージをのせた手作りのしおりをはさんだ。今回配布された本は新入学児童数と同じ約１３９０冊。
担当の市教育指導課は「本書を通じて保護者のみなさんに読書の大切さを理解してもらい、伝えてもらうことで子どもたちの読書意欲も高まれば」と話していた。
メッセージ付きのしおり
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