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秦野版 公開:2013年1月31日 エリアトップへ

宮永岳彦記念美術館 観覧者 11年間で半減 前年度1千万円超の赤字

公開:2013年1月31日

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 市立宮永岳彦記念美術館(鶴巻3の1の2)の観覧者数が減少の一途をたどっている。2011年度は2984人と初めて3千人を割り込み、オープンした2001年度の半数以下となった。市が自ら公共施設の再配置に取り組む中、同美術館の存在意義そのものを問う市民からの厳しい声も聞かれる。

 宮永岳彦氏(1919―1987)は、市内名古木にアトリエを構え創作活動を行なった画家。油絵のほか、ポスターや童画、挿絵など多彩な作品を残し、「たばこ祭」のポスターデザインも手掛けた。同美術館は、宮永氏の没後、遺族から寄贈された作品の展示を主な目的に開設された。

 市内初の美術館ということもあり、オープン初年度、次年度はともに6千人を超える観覧者を集めたが、3年目からは下降線を描いている。その中でも有料観覧者(高校生以上)は、初年度の約5500人に対し、2011年度は約1900人と3分の1近くにまで落ち込んだ。

 同美術館が所蔵する宮永氏の作品は、絵画など主なもので約400点。これを半年ごとにテーマを定めて作品を入れ替え60〜70点ずつ展示している。

 担当の市生涯学習課では「新しい作品を購入しているわけではないので、別のテーマでも展示作品が重複することもある」と説明。記念美術館という性格上、展示内容に一定の制約が有り大幅な新しい企画を打ち出しにくい状況もあるという。その他の取り組みとして、所蔵する浮世絵の展示、併設の市民ギャラリーを利用した工作教室と美術館鑑賞企画、美術館内でのクラシックコンサートなどを挙げるが、いずれもマンネリ感は否めない。

年間収入は約90万円

 同美術館の2011年度事業費は約1145万円。主な内訳は、都内の専門倉庫への作品保管および作品移動の委託料が約370万円、4人の非常勤職員報酬約384万円など。一方で収入は、観覧料と市民ギャラリー使用料など約90万円。「秦野市に限らず美術館事業で黒字は難しい(同課)」というが単純計算で1千万円以上の赤字だ。

 観覧者の減少については市議会でも度々指摘されており、市がまとめた公共施設再配置計画の第1期基本計画でも課題のひとつに挙げられている。

 同課では「結果として年々観覧者が減少しているのは事実。これからの観覧者を増やすためにどのような展示や事業ができるか求めていかなければならない」というが、今年度の観覧者数も「前年度並み」の見通し。いまだ効果的な解決策は見出せていない。
 

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