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秦野版 公開:2015年2月19日 エリアトップへ

富士フイルムフォトコンテストで金賞 写真家 市川節子さん

社会

公開:2015年2月19日

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愛機Canon EOS 7Dを手にする市川さん
愛機Canon EOS 7Dを手にする市川さん

 全国から約4万点が寄せられた国内最大級の第54回富士フイルムフォトコンテストで、市川節子さん(秦野市堀西)が、ネイチャーフォト部門で金賞に輝いた。作品は渋沢地区の湧水地「ふれあいの里」の池で撮影した水面下いっぱいのニホンヒキガエルの卵と、力尽きた母親の姿を1枚に収めた「命の継承」だ。

 渋沢小学校の非常勤講師でもある市川さんは、総合学習の授業「早春の自然観察会」の講師を任され、同校近くのふれあいの里へ下見に出かけた。総合学習のネタを探していたとき、市川さんの目に飛び込んできたのは、池の中に産まれた無数の卵と、その上で水面に浮くニホンヒキガエルの母親の姿だった。

 見た瞬間「感動して涙が出た」と話し、その場で亡骸と向き合いながら「ご苦労様。お疲れなんでしょう」などと話しかけたという。一呼吸置いた後、外出時には肌身離さず持っているカメラで、「写真を撮らせてもらうからね」と話しかけ、シャッターを切った1枚だ。作品の中には、未来を生きていく命、過去を生き抜いてきた命が収められ、前日に春一番が吹いたためか、池の近くのウメの木から花が落ち、亡骸にそっと寄り添っている。

「生きる姿」にシャッター切る

 市川さんは27年前に自然観察を始め、その7年後から自然をテーマに撮影を始めた。花や鳥などを被写体とし、初めは自ら「図鑑写真」というような写真だった。ファインダー越しに自然を切り取り5年が経った頃から、「自然の世界が見えてきた」という。見えてきたのは、動物の表情、動き、仕草を総括した「生きる姿」。以来、メッセージが伝わるような写真を撮り続け、サバンナに生きるチーターやゾウなども撮影にいった経験を持つ。

 過去の作品にはヤマセミが水面すれすれで水しぶきを上げるその一瞬、仕留めた獲物を食べるチーターの表情、水辺でリラックスするライオンの家族など、図鑑写真とは一線を画した生きる自然の姿がありありと描写されている。その作品は様々なフォトコンテストで入賞するほどの腕前だ。

 富士フイルムフォトコンテストには過去5回ほど応募経験があったが結果は振るわず、今回、自由部門とネイチャーフォト部門にあわせて10点応募。その内の1枚が初めての受賞であり予想だにしなかった金賞に輝いた。30年近く自然の姿を追い求めてきた市川さんにとって、同フォトコンテストのネイチャーフォト部門での金賞は、他のコンテストのどんな賞にも比べられない程の価値だという。

 市川さんは「かけがえのない財産をいただいた。年齢を考えると『冥土の土産』と言われるかもしれませんが、私には写真家として『出発点』をもらった気がします。これからが本当の写真人生の始まり。一生涯、撮り続けていきたい」と目を輝かせた。
 

金賞作品「命の継承」
金賞作品「命の継承」

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