国の文化審議会は7月21日、新たに全国245件の建造物を登録有形文化財に登録するよう文部科学大臣に答申した。この中で秦野市から「五十嵐商店店舗兼主屋ほか倉庫4棟」と、「蓑毛大日堂ほか3棟」が登録対象となった。
文化財登録制度は1996年に創設されたもの。そのうち登録有形文化財(建造物)は、50年を経過した歴史的建造物のうち、国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範となっているもの、再現することが容易でないものという要件がある。
本町2丁目の五十嵐商店店舗兼主屋ほか倉庫4棟は、1923年から1937年頃にかけて建設された。店舗兼主屋は、木造3階建のモルタル洗出し。柱型や柱頭飾に意匠を凝らし、古典様式風の外観で親しまれてきた。関東大震災後、秦野の商業地の中心だった本町四ツ角周辺では、復興の象徴として西洋古典様式やアールデコ様式などの影響を受けた建物が多く建築された歴史があり、同建物はそうした建築物の一つ。昭和初期の荒物・雑貨・乾物商の様子をよくとどめる。
一方蓑毛の宝蓮寺の大日堂と同仁王門、同地蔵堂、同不動堂の4件も登録対象に選定された。大日堂は1729年(享保14年)に建築された近世寺院。組物を尾垂木付二手先とし、向拝の手狭彫刻を牡丹とするなど華やかに飾る。地蔵堂は細部の意匠に18世紀前半の特徴を見せ、仁王門には市指定有形文化財の二王像が安置されている。
秦野市では今年6月、「宇山商事店舗兼主屋」が建造物として登録、「曽屋水道」が登録記念物として答申されていて、今回で市内の登録有形文化財は13件となる。市生涯学習文化振興課では、「こうした文化財を活用する取り組みについて、今後検討してきたい」と話している。
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