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秦野版 公開:2021年9月10日 エリアトップへ

日本七大珍種蜘蛛を発見 くずはの家 高橋所長

社会

公開:2021年9月10日

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所長が発見・撮影したワクドツキジグモ
所長が発見・撮影したワクドツキジグモ

 自然観察施設くずはの家がある葛葉緑地で、「日本七大珍種蜘蛛」に数えられる「ワクドツキジグモ」が初めて発見された。敷地内で調査を行っていた高橋孝洋所長が、植物の葉の上にいるのを発見したという。

 カエルの地方名「ワクド」と、発見者の名前「ツキジ」を組み合わせた名称を持つこのクモは、ヒキガエルのような見た目で採集記録の少ない希少種となる。

 所長はインターネットの情報や図鑑などで、以前からその存在を知っていた。8月中頃に調査で葛葉川付近を移動していた際、目の端に覚えのある姿が映ったため引き返したところ、葉の上にこのクモがいたという。

 「一度は実物を見たいと思っていた。まさか葛葉緑地で見られるとは」と驚きの声を上げる。

 ワクドツキジグモは本州から南西諸島にかけて、その姿が確認されている。高橋所長によると「主に南方に生息していて、ここにはバルーニングで飛んできたのではないか」と分析する。

 バルーニングとはクモの幼体が自分の糸を風に乗せ、飛んで移動し分布を広げる方法。そのため、1匹発見されたからといって他の個体が生息している保障はない。

 このクモは粘性の高い三角形の網を張るが、空気中の湿度が高い場所でしか巣を張ることができない。今回発見された葛葉川付近は、鳥の餌用に作ろうとした干し柿が一晩でカビてしまうほど湿度が高い場所だったため、「巣を張るなど成育に適していたのではないか」と高橋所長は話す。

 ワクドツキジグモの体長はメスが8〜10ミリメートルで、オスが2〜3ミリメートル。葛葉緑地で見つかった個体は、大きさから見てメスと判断される。

 『クモハンドブック』の著者の1人であるクモの専門家・谷川明男さんも調査に駆け付けたほか、SNSに掲載したところ沖縄の写真家からも「42年住んでいて2回しか見たことがない」と、くずはの家に連絡が入ったそうだ。

 高橋所長によると、葛葉緑地では過去に七大珍種蜘蛛の1種である「ムツトゲイセキグモ」が発見されているほか、市内でも別の七大珍種蜘蛛が1種発見されたことがあるという。「ぜひ、他のクモも発見してみたい」と意欲を覗かせる。

 発見されたワクドツキジグモは人の手で飼育が困難なため、夏休み自然教室「クモのふしぎ大発見!」で披露されたあと元いた場所に戻された。
 

高橋所長
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