▽国内最大級の公募総合美術展覧会「二科展」。9月1日から13日まで六本木の国立新美術館で開催された「第105回記念二科展」で記念賞を受賞した。絵画部、彫刻部、デザイン部、写真部の4部からなる展示作品数は約3300点。この膨大な作品の中から受賞者は絵画部で54人。
▽初受賞の喜びを「嬉しいんだけど喜んでばかりはいられない。次のステップへ、これ以上もっとがんばれという”宿題”をもらった気持ち」と話した。受賞作品は『カントリーミュージックRe3』と名付けられた100号の油絵の大作=写真下。「カントリーミュージック、世界にはばたけ」という意味を込めたという。二科展本展での入選は6回目。これまでも「カントリーミュージックをモチーフにしたライトレッド(赤茶)の作品。日本人には思いつかない斬新な発想」と注目されていた。
▽取材で中井町にあるアトリエを訪問したのは、二科展終了直後。作品もアトリエに戻ってきていた。受賞作品をはじめ、これまで手掛けた数多の作品のなかに自身が演奏する楽器も点在。アトリエ自体がまるで”作品”だ。学生時代からカントリーバンドを組んでいた。”法政大学のカントリーレンジャース”として全国ツアーしたこともあるという。カントリーミュージックの魅力を「時空を超えて伝わる音楽、素朴で人間らしい」と。まさに「心のふるさと」なのだという。
▽大学卒業後、日立電子エンジニアリング株式会社に入社。国内外で勤務。マレーシア・ペナンでの壮絶ともいえる経験。「何にでもへこたれない。99%不可能と言われても1%の可能性にかける男」だ。目の前にあることに”全身全霊”で取り組む日本男児が、定年を意識し始めた年齢に達したころ、美術の世界に足を踏み入れた。現在、秦野美術協会会員、二科会神奈川支部所属、二科会同人、西相美術協会会友。「自分は表現しようとするものがとても多い。もっとシンプルにそぎ落として作品を創造したい」と未来の作品への想いを語った。秦野市入船町在住。
秦野版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>