三浦の散歩道〈第133回〉 みうら観光ボランティアガイド協会
江戸時代の文化九(1812)年に書かれた『三浦古尋録』の「高円坊村」の項に「此村(このむら)ニ作ル大根ハ本短ク葉大ナリ味ヒ至テ美ナリ是ヲ三浦(高円坊とも)ノ鼠(ねず)大根ト云テ土地ノ名産ナリ皆其(その)種ヲ以(もって)近村ニテ作リ一名ヲ高円坊大根ト云(いう)」と書かれています。
現在「三浦大根」と呼ばれるものは、「練馬大根」と等しく下半部が特に太いためか、最近は耕作の大変さもあり、核家族化したことによる購買の減少もあるためか、この辺りでは「青首大根」が主流になっているようです。いずれにしても「大根」は、三浦の代表野菜として江戸の時代から続いているのです。
「高円坊」の1600番地付近は「横須賀市」に接する辺りですが、その近くに「総務省関東総合通信局三浦電波監視センター」という大きな建物があります。その東側の谷戸に「隠田」と言う小字名があります。「カクシダ」と呼ぶのでしょうか。名前に魅せられて歩いてみました。県道武上宮田線から北東へ向かう小道を進んで行くと、「加藤」の姓の家が続いています。奥まった処の小高くなった西方へ、歩を進めますと、墓地が見えました。「屋敷墓地」と呼ばれる所なのでしょうか。さらに、西側へと進むと、石の祠が三基祀られている処へと出ました。その右手に石段が見えます。社殿の左右に石屏が見られます。ガラス戸の建物で、屋根が朱塗りになっています。鳥居も見当たらないので何の神社かは分かりません。恐らく「地神」の社殿なのでしょう。
さらに、その脇の道なき道を進んで行くと、鉄パイプの手すりがついた登りの道に突き当たりました。手すりをたよりに進んで行きますと、前方に大きなレーダー装置が見えてきました。周囲は南瓜(かぼちゃ)の畑です。
南瓜畑から遠方を眺めると、なかなか雄大です。
緑の畑と青い空に浮かぶ白雲と、レーダーとの対比はすばらしい景色です。
始めに記した「電波監視センター」横の道を西に向かって行くと、センターの門前へ出て、下り坂の、やゝ幅広の道へと続き、下って行くと「庚申堂」バス停の交差点に着きました。
前回、「仲尾」の「庚申塔」を見させて頂きましたが、この「高円坊」は初声地区の中でも「庚申塔」の数が多く、鈴木喜代司氏著の『初声町の庚申塔』によりますと、五十五基にも及ぶそうです。次回にはめずらしい「庚申塔」などを尋ねてみたいと思います。 (つづく)
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