三浦半島 草花歳時記 第53回 「ハコベ」と春の七草 文・写真 金子昇
室町時代の文献「河海抄」には「芹 なずな 御行 はくべら 仏座 すずな すずしろ これぞ七種(ななくさ)」とあり、今日でいう「春の七草」(セリ ナズナ ハハコグサ ハコベ ホトケノザ カブ ダイコン)を詠んだものです。
当コラムで第15回(ナズナ)、第17回(ハハコグサ)、第39回(ホトケノザ)が記載済みですので、今回は「ハコベ」についてです。
古くは「はくべら」または「はこべら」といい、その語源は四方に「はびこる」ことからつけられました。和名、漢名共「繁縷」といい、茎の中に一つの筋(縷(る))があるため、踏みつけられても生き延びることができます。
市内の主なハコベ類は「ウシハコベ」「ミドリハコベ」と外来種と考えられる「コハコベ」が見られます。ウシハコベは花の柱頭が5つに分かれており、ミドリハコベとコハコベは3つに分かれています。またミドリハコベの雄蕊が5〜10本、コハコベは3〜5本で、区別できます。
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