第48回衆院選は22日投開票され、神奈川15区では、自民党前職の河野太郎氏(54)が全国の小選挙区で最多の得票数を獲得し、8期連続の貫録勝ち。新人2氏を寄せ付けなかった。
衆院解散から公示日までの短期間で野党が離合集散した政局が波及し、15区にも自民・希望・社民の3極の構図が持ち込まれた。
元教員で社民党の佐々木克己氏(62)は野党共闘の流れの中で、統一候補として出馬する意向を表明。民進党から大阪選挙区で立候補する準備を進めていた俳優の乃木涼介氏(53)は、希望の党が3日に発表した公認リストで、急転直下の国替えを知らされた。
外相の河野氏は、北朝鮮への危機管理対応や与党候補者の応援のため、選挙期間中に選挙区入りできたのは初日と20日の2日間のみ。それでも閣僚としての実績と分厚い保守基盤を背景に、全国トップの得票数を積み上げてみせた。
佐々木氏は街頭演説などを重ね、平和外交や脱原発などの政策を訴えたが、支持を広げられなかった。乃木氏は公示5日前に選挙区入り。「ここに来た経緯は、あまりにも期間が短すぎて自分でもよくわからない状況だった」と話すように、準備不足を最後まで取り返せなかった。
河野氏「日本の未来明るく」開票後、各陣営が勝敗の弁
河野氏は開票日明けの23日、ホテルサンライフガーデンの会場で、150人を超える支援者に迎えられた。本人不在の中でも全小選挙区でトップの票数を獲得した選挙戦を振り返り、「日本一の応援団の皆様に支えられ、幸せだと思っています」と感謝した。
また、自民・公明両党で3分の2以上を確保した議席数について「参議院で法案が否決されても再可決ができる、憲法改正の発議ができる、様々な意味で重い議席数だ。謙虚に受け止め、政治をしていかなければいけない。日本の未来が明るくなったと言っていただける政治をしっかりやってまいりたい」と抱負を語った。
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佐々木氏は開票日の22日夜、茅ヶ崎市内の選挙事務所で支援者と河野氏当確の報を聞いた。「社民党議員のいない地区で党の主張を伝えるという役割は果たせたように思う」と取材に応じた佐々木氏。「野党統一候補として出させていただいた経緯があり、与党の強いこの地区で投票率や得票率に影響を与えることができるかという責任があった」と述べた。
乃木氏は、茅ヶ崎市内の事務所で民進党系の地元議員らと開票状況を見守った。乃木氏は「社民と票を割る結果となり、安倍政権打倒を目指したが、残念な結果に終わった。雨が続き通りには人が少なく、ただでさえ日にちがない私にとって不利だった」と選挙戦を振り返る。「党としての枠組みがどうなるかわからない」と今後について白紙としながらも、「これからがスタート。明るい一歩を踏み出せたという思いで取り組む」と前を向いた。
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市内では河野氏が7万3052票を獲得し、7割以上の支持を集めた。比例代表選では、自民党が3万5475票で約34%の得票率。立憲民主(2万1787票)、希望(1万7910票)、公明(1万4478票)、共産(8220票)、日本維新(3514票)、社民(2312票)、幸福実現(410票)と続いた。
全国投票率は53・68%で、戦後最低だった2014年の前回選に次ぐ、2番目の低さだった。市内では前回投票率(50・25%)をさらに下回り、半数割れの49・33%だった。
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