今年で創立5周年を迎えた「社会福祉法人さくらの家福祉農園」の理事長を務める 大谷 弘さん 岡崎在住 77歳
「面と向かって言えないから」
○…「一つの節目を迎えられたのは、地域のご理解、ご協力があったから。すべての方々に感謝でいっぱいです」。知的障害のある人たちの通所施設「社会福祉法人さくらの家福祉農園」が今年で創立5周年を迎えた。今月19日には岡崎の作業所で記念式典がある。発足以来、理事長として施設運営の中心に立ってきた。大きな声で感謝を述べ、頭を下げる姿が印象的。
○…1988年、障害のある子を持つ親たちが桜台の借家を使って開設した作業所が福祉農園の原型。農業者だったこともあり、周囲に請われる形で当時から活動に参加した。「皆で一生懸命作業をしたい」という思いから、通所者のために自分の農地を提供するなど貢献。その後、福祉農園は06年に社会福祉法人化。「法人の認可は信用の証。今後も地域に信頼される作業所を目指したい」と語る。現在26人の通所者が働く。収穫した野菜や花は市役所などで定期的に販売している。
○…岡崎の農家に生まれた。弟妹8人の面倒を見る頼れる兄であるのと同時に「すごく頑固者」だったと振り返る。伊勢原高校を卒業後は家業を継いだ。仕事のかたわら、神社や寺の役員、PTA、自治会など地域で幅広く活動した。「故郷のために汗をかこう」と91年には市議会選に初当選、3期にわたり市政に尽くすなど多方面で活躍。現在は妻、娘と3人で暮らす。
○…年齢を感じさせない人だ。健康の秘訣は「精神の充実と働くこと」。現在もおよそ8反ある田畑で米や野菜を作る。「畑も理事長もやりがいがある。でも、安心して取り組めるのは妻の支えあってこそ」。そんな妻との旅行をひそかに計画中だという。日ごろの感謝を込めた妻へのプレゼントだ。「ありがとうなんて面と向かって絶対言わないし、言えないからね」―。根っからの頑固者の表情は若さと愛情に満ちていた。
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