神木のぼり保存会の代表を務める 成瀬 徳春さん 上粕屋在住 75歳
責任の重さ胸に伝統守る
○…日向薬師宝城坊の春季例大祭で「神木のぼり」を披露する。市の無形民俗文化財に指定されている神木のぼりは、山伏姿の修験者が高さ5mのシイの木にのぼり、家内安全や五穀豊穣などを祈願する口上を読み上げる。さらに護摩焚きが行われ、火渡りの勇ましい姿が祭りを飾る。「神木のぼりの2代目として20年務めた。今は4代目が頑張っている。神木のぼりが復活して今年で節目の50年。これからも伝統を残していかないといけない。会員皆が責任を感じている」と話す。
○…上粕屋で江戸末期から続く成瀬石材店の5代目として生まれる。高部屋小、山王中出身。高校卒業後、家業を本格的に手伝うようになる。「当然跡を継ぐだろうと、他の道に進むことは考えていなかった」と笑う。「責任感を持って良い仕事をする」、「客に喜ばれるような仕事をする」をモットーに一時代を築いてきた。現在は6代目に代表を譲るが、現役の職人として現場で活躍している。
○…保存会に入会したのは40歳の頃。宝城坊の前住職や会員だった同業の仲間に誘われたのがきっかけ。それまでは神木のぼりのことはもちろん、歴史にもあまり興味がなかったが「信仰心が厚く、素人の山伏に手を合わせてくれる人がいることを知り、責任の重さを感じた。いかに喜んでもらえるかを考えるようになった。毎回緊張するが、待ち遠しくもある。この緊張感が元気の秘訣かも」とほほ笑む。
○…保存会が発足して以来、会長として日向薬師の伝統行事を守ってきた。「先日、山伏に関する講演を頼まれ、改めて日向の修験者について調べた。修験道は奥が深い。もっと調べたくなった。できるだけ多くを次の世代に残していきたいからね」
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