「伊勢原市傾聴の会 ぴあ・こすもす」の代表を務める 今村 たみ子さん 下落合在住 71歳
人間愛で笑顔を増やす
○…一人暮らしなど、話したくても話す機会の少ない高齢者が増える中、「聴く力」を身に付けた傾聴ボランティアを養成する講座を市が9月に開講。ボランティア団体「ぴあ・こすもす」が講師を務める。「傾聴は相手の話を否定せず、気持ちを聴き、心に寄り添うのが大事」と微笑む。現在15人が在籍。市内の高齢者施設や個人宅へ出向き、話に心を傾けている。
○…生まれも育ちも伊勢原。父親の勧めで教員を目指していたが、大学在学中に父が他界。「これからどうしていいか分からなくなりました」と振り返る。それでも大学を卒業し、小学校の事務職員に。教員とは違う目線で学校に携わり、観察眼が養われたという。その後、中学校でも事務職員を務め、中学から大学まで続けた卓球の経験を活かし、中学校の卓球部顧問にも就いた。「諦めず、最後まで一生懸命向き合うことの大切さを伝えてきた。生徒たちからは、たくさんの思い出をもらいました」と嬉しそうに話す。
○…入会したのは7年前。学校を退職後、介護相談員として働いたのがきっかけだ。職場の介護施設で会のメンバーと出会い、その傾聴力に圧倒された。「最初のあいさつで相手の心が開いた。自分は話が得意だと思っていたが、かなわないと感じた」。人と接するのが好きだったこともあり、講座を受講し1年後に入会。昨年代表を引き受けた。「皆さんが笑顔になってくれるのがやりがい。傾聴は人間愛です」。傾聴を身に付け、誰もを愛する心がさらに養われた。
○…さまざまな人生と向き合い、話を聴くつかの間の時間を一緒に過ごせることに喜びを感じる。「一人でも多くの人の役に立ちたい。人生は日日是好日。70過ぎて人の役に立てるなんて幸せです」と満面の笑みを浮かべる。
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