横須賀こころの電話 ボランティア確保が課題
日常生活で悩みを抱えている人に寄り添い、話を聴く「横須賀こころの電話」。年間3千件以上の電話相談がある一方で、応対するボランティアの不足が現在課題となっている。市保健所では「ボランティアの方々のおかげで成り立っている事業。多くの人に養成研修に参加して欲しい」と話す。
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「こころの電話」は、市の委託を受けた「NPO法人三浦半島地域精神障害者の生活を支える会」が年中無休で運営。研修を受けたボランティア相談員が、専任スタッフとともに待機している。
市保健所によると平成22年度の相談内容は、夫婦間の不満やトラブルをはじめとする「家族」に関することが740件(23%)、精神疾患を抱える人からの悩みなど「健康(精神)」が1032件(32・1%)、自殺をほのめかす内容が80件(2・5%)など、人によって様々(複数回答含める)。だが、最も多い内容は「人と触れ合いたい」「社会とつながっていたい」という思いから、日常のちょっとした出来事を口にするという。22年度もこうした内容が1922件(59・7%)あった。
これらの声に耳を傾けるのが、相談員として市の認定を受けた電話ボランティアだ。相談員は「傾聴」という姿勢をとり、相手の話に対して自分の意見を言ったり質問を投げかけたりはせず、「悩みを抱えていらっしゃるのですね」などと受け止めながら聴く。こうしたロールプレイなど、計12回の養成研修を終えた137人が相談員として現在認定されている。40代〜60代の女性が全体の65%を占める。
「人のために」がモチベーション
その一方で、ボランティアの稼動人数は38人というのが現状だ。「人の役に立ちたい」というモチベーションがありながらも、体調不良や、相談者の話す内容が自身の体験と重なり、電話対応ができなくなる人もいるという。
相談員はローテーションで月2回程度の参加となるが、不在の時は同センターの職員(常勤1人、非常勤2人)が応対している。「こころの電話」に対するニーズは高く、市では今後、電話の開設時間拡大も視野に入れるが、そのためには今以上のボランティアが必要になる。だが、昨年8月に予定していた養成研修(11期生)は、応募者が少なかったため初めて中止となった。
来年度も8月から12期生の募集を予定。保健所の担当者は「(相談員は)市民の思いを傾聴するための技術を身につけることにより、家族や友人同士の付き合いが円満になるなど、私生活が充実する面もあります」と話し、広く参加を呼びかけている。詳細は、保健所健康づくり課【電話】046・822・4336へ。
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