大人の音色 横須賀から世界へ
「今までは、若いから注目されていた。ハタチを過ぎたら、本当の実力で評価されるようになる」―そう語るのは、衣笠栄町に住む渡邊達徳さん。
小学1年生の時、母親に連れられた音楽教室で、バイオリンに出会った。「おもしろそう」。”バイオリニスト”が、自分の進む道だと決めたのは6年生と早かった。それからは、「学校のテスト勉強よりも練習の日々」と、バイオリンと共に育った10代。
追浜高校に進学後は、地域での演奏会に参加するなど、活動の幅を広げた。全日本学生音楽コンクールなど国内外の大会で上位に進出し、現在は東京音楽大学の2年生。「何をおいても音楽が最優先の環境」だからこそ、視野を狭めることなく、様々なことにトライしたいと思っている。「10代、学生のうちに自分の下地を固めておきたい」―意志の強さが垣間見える。
大学に入ってからは、市外の管弦楽団へのエキストラ出演や、アンサンブルコンサートなど”課外活動”も意欲的だ。追浜高校時代の仲間(オーボエ)とのデュオも結成。さらに作曲や編曲も手掛け、演奏活動も積極的にこなす。「個性のあるマルチなプロに」というのが夢であり、目標とする姿だ。
家族の支えに感謝
ピアノを教える母親の影響で、兄と弟・妹ともに音楽を嗜む。時に家族でアンサンブルも。辛口な批評家であるとともに、自分の一番の応援団だ。「自分のやりたいこと(バイオリン)の道に進むことができているのは、両親や兄弟のおかげ」。感謝の気持ちを忘れないことが、今の自分につながっている。
昨年は、オーケストラをバックにチャイコフスキーの協奏曲を独奏する機会にも恵まれた。20代は、これまでの経験を確かな実力に換えていく時期。「音楽のすそ野を広げ、クラシックの面白さを伝えたい」―バイオリンへの情熱と、持ち前の機動力で歩み続ける。
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