横須賀市は、3月に公表した「市教育環境整備計画」の前期計画(2022年度〜25年度)に基づき、学校施設適正規模・適正配置に向けた議論を本格的にスタートさせた。これに伴い、対象の田浦地域と走水・馬堀地域に協議会を設置。今年度は5回ほど意見交換の場を設ける予定で、市は地域の実情を踏まえた教育環境の整備をめざすとしている。
地域協議会は、学校関係者や保護者、町内会長、学校運営協議会メンバーなどで構成。「現在と未来の子どもたちのより良い教育環境のために」との共通視点から、見直しのための課題や改善策について意見を出し合っていく。
5月26日は田浦地域、30日には走水・馬堀地域で第1回協議会が開かれ、現状報告や計画の進め方、統廃合の手法について意見を交わした。
校舎老朽化が課題
田浦地域3小学校のうち、田浦小と長浦小は小規模化が著しく、両校とも全学年単学級。さらに田浦小は、校舎の築年数が68年と市内で最も古く、建て替えを検討する時期が迫っているが、防災面や周辺道路状況などに課題があることから、規模適正化とあわせた検討が必要になるという。
出席した委員からは、仮に統廃合となった場合に、国道16号をまたいだ最長3Kmの遠距離通学となる児童の安全確保や両校の交流、船越小を交えた規模の見直し、小中一貫校の新設などについて意見があがっていた。
1学年10人未満も
一方、児童数48人で市内最小規模の走水小は、6学年のうち4学年が1学級10人未満。28年度までほぼ横ばいで推移するとみられる。また、隣接する学区の馬堀小も現在は3年生のみ単学級だが、今後、児童数・学級数の減少が見込まれている。
「走水小は海を臨み自然豊かで、小規模校ならではの教育の良さがある」と委員の1人。児童数減少は自衛隊官舎がなくなった影響が大きいのではという指摘もあり、少子化を考慮しても、児童数が大幅に減少する小学校地域などへ、これまで積極的に移住定住を促進できなかったのかなどと、市の姿勢を問う場面もあった。
協議会での意見は、市立小中学校適正配置審議会が取りまとめる答申に反映される。
なお、後期計画(26年度〜29年度)の対象は、逸見・中央地域の逸見小・沢山小・桜小・汐入小の4校。そのほかにも今後の児童・学級数の推移や施設状況を勘案して、新たに検討地域と対象校を追加するという。
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