横須賀市
「人口減少」待ったなし
若年女性の市外流出課題
5月17日
「本を通して、子どもと若者たちに必要な情報と安心できる場所を提供する」を掲げた私設図書スペース「船越小学校徒歩1分図書館(通称・フナイチ)」が、このほど船越町に開設された。商店街の空き店舗を活用し、1階には同じく子どもをコンセプトにしたカフェを併設。運営する北川幸子さんは、「図書館とカフェが子どもたちの居場所として機能し、地域の大人たちと積極的に交流できる場になれば」と話している。
衣笠駅そばにある元社員寮だったアパートを改修して2019年に誕生した私設図書スペース「衣笠駅徒歩1分図書館(通称・キヌイチ)」に続く市内2拠点目として今夏開設されたのが、フナイチだ。その名のとおり、船越小学校近くの船越仲通り商店街内(船越町1の52の4 2階)にあり、以前は靴店やクリニックの店舗兼住居だった3階建ての建物を使用。和室には絵本や児童書、マンガ、小説などがずらりと並び、思い思いに過ごすことができる。
キヌイチ同様、単なる図書スペースではなく、地域の子どもたちが自由に出入りできる居場所としての役割も持つ。「大人たちに言いにくい悩みを同年代同士で打ち明けられ、助け合える受け皿のような場をめざしている」と北川さん。さらに「子どものために何かしたい」という大人が集まり、結びつくことで新たな活動を創出し、地域コミュニティーの活性化にも繋げたいという。
また、「人にやさしくする知恵を、子どもと大人が共に考えて学ぶ場所」をテーマに、キヌイチで様々なワークショップを展開してきた「やさしい学校」の一部講座をフナイチでも開催。夏休みの宿題に取り組む場や料理教室のほか、8月9日には"給食"と称した子ども食堂を初めて行い、親子連れら約30人がカレーなどを味わった。
フナイチの特徴は「カフェTePeu」が1階に併設されている点にある。同店は「子どもにまなざしをつくるカフェ」をキーワードに、地元野菜を使った手作り料理などを提供。カフェとフナイチがシームレスに繋がることで、食や交流を通じた関わり合いが増え、地域の見守る「目」も増えると期待する。
北川さんは今後、子ども連れで利用できるコワーキングスペースとしての活用や子ども食堂の定期開催を検討、新たな"図書館"も市内に増やしていきたいという。
フナイチは概ね毎週火曜の午後から夕方に開館し、25歳まで無料利用可。詳細は【電話】046・854・5509、催しやカフェの営業情報などはSNSで随時公開中。
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