県政報告 最先端のがん治療を充実 公明党 神奈川県議会議員 亀井たかつぐ
多くの市民相談を受ける中で、がんとの闘病を続けている方々との出会いが多くありました。生活と治療の両立、高額な医療費など、がん治療にはまだまだ課題があります。ある患者の方からは「私のような苦しみを他の人に味わってほしくない」と、切実な声もいただきました。がんを治る病気にする--この思いで、私はがん対策に取り組んできました。
がんゲノム医療
昨今、がん医療において、最も期待されている分野の一つが、「がんゲノム医療」です。これまでのがん医療では、肺や腎臓、大腸といった臓器ごとにがんを分類し、治療してきました。一方、「がんゲノム医療」では、がんの原因となる遺伝子を同時に調べる「遺伝子パネル検査」を行い、その患者特有の遺伝子変化を明らかにし、治療法を模索します。がんの性質や病状に合わせたオーダーメードの治療を提供することで、投薬などもより高い効果が見込めるのです。
ただ、「神奈川県立がんセンター」(横浜市旭区)で、この「がんゲノム医療」を受けられるのは、放射線や抗がん剤などの標準治療を終えた患者等に限られていました。しかし、標準治療が終わるのを待っていては、その間にがんが進行してしまい、初期段階でなら「がんゲノム医療」で治癒できたものも、病状によっては治療できないといったことになりかねません。
そこで私は、県立がんセンターにおけるがん治療の初期段階から「がんゲノム医療」を実施すべきであると神奈川県議会代表質問で提言しました。知事からは前向きな答弁を引き出し、昨年4月から、県立がんセンターで、がん治療の初期段階でも「がんゲノム医療」を実施することが可能になりました。今後は、この治療の保険適用を目指し、患者や家族の負担が軽減されるよう尽力します。
保険適用を拡充
体への負担が少ない重粒子線治療については、私も議会で度々取り上げてきました。当初こそ先進医療でしたが、順次保険適用の範囲が拡大され、今日では多くの患者が、この治療を受けています。昨年4月からは、肝臓、すい臓、子宮、直腸がんの一部など、新たに5疾患が保険適用として追加され、県立がんセンターにおける重粒子線治療のうち、約9割が保険適用の対象となっています。
こうした保険適用の拡充については、十分に知られていません。患者や、その家族にまで、情報が届くように、ホームページ等での周知や、県内の連携拠点病院にある「がん相談窓口」との情報共有を強化していくよう取り組みます。
未だ、多くの人から「治らない病気」と認識されているがん。国民の2人に1人がかかるとも言われ、誰しもが、いつか向き合う病であると思います。がんを患った本人と、その周囲の人々が「希望」を失わずに生きられる社会をつくるため、これからも全力で働いて参ります。
亀井たかつぐ
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