土曜午後、坂本コミュニティセンター体育館に響くボールの音と元気な掛け声。市内を中心に活動している「土曜卓球クラブ」 の面々だ。1988年に結成して今年で35年目。最高齢は88歳。「1回約2〜3時間、気持ち良い汗をかいている。体力維持にもちょうどいい」とメンバー皆、笑顔を見せる。
クラブ結成のきっかけとなった場所は、横須賀アリーナの卓球場。「40代の頃、仕事が休みの土曜日に一人で練習に来ていた。フリーで対戦していて、そこで知り合った人とチームを組んだのがはじまり」と代表の酒井富男さん(平作)。主に土曜日に活動していたから「土曜卓球クラブ」と名付けた。
現在の在籍は、男女ほぼ同数で50代から80代まで19人。仕事などから退いた人も多くなったため、月・木・土と練習の回数を増やしている。メンバーは市内各地から。「経験者だけでなく、卓球を楽しみたいという人が集まっている」と酒井さん。今も働きながら土曜だけ参加する人もいるという。
最高齢88歳の小林一博さん(望洋台)は現役時代、企業の卓球部主将を務めていたという。「通っていたパソコン教室の文書課題で『趣味は卓球』と書いたら、それを見かけた人に誘われて」と笑う。今は卓球と月に数回のゴルフが健康維持の秘訣。「前後左右に動くので、体幹が鍛えられる。ゲームは頭も使うし、早いボールを追うための動体視力も必要だよね」と小林さん。日々の練習はダブルスが中心で「個人の対戦では勝ち負けにこだわりすぎてしまう。(ダブルスの)相手を変えながら、卓球そのものを楽しめる場づくりを考えている」と酒井さん。「運動して汗を流すことで元気でいられる。良い”卓球仲間”という関係性もちょうどいい」と笑顔を見せる。
地域間交流も
卓球を通じて、ひょんなことから沖縄の団体との親善試合の機会に恵まれた。酒井さんが20年ほど前、個人練習で訪れた都内の勤務先近くの体育館で、対戦したのが沖縄の人だった。その後偶然再会し、親交を深める中で、沖縄からチームが横須賀に訪れて交流が始まった。04年には現地へ招かれ、対戦だけでなく観光などでもてなしてもらった。「卓球を通した地域交流。おもしろい出会いでしょ」とほほ笑んだ。新型コロナのためここ数年は実施できていないが、会員の親睦を深めるための年1回の合宿もメンバーの楽しみになっているという。
「気付けば35年も経っていた。その間、多くの人との出会いがあり、卓球を続けられている」と酒井さん。コロナ禍で市の施設が利用できない期間は、それぞれウォーキングなどで体力維持に努めていたという。クラブのモットーは「健康で楽しく」。練習中の掛け声や和気あいあいとした会話も”楽しさ”につながっている。
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