市政報告 市議会に変化と挑戦を 横須賀市議会議長 大野 忠之
昨年4月の統一地方選を経て議会も新しい顔ぶれとなり、私自身は引き続き(第85代)市議会議長に就きました。就任直後の5月に新型コロナの位置付けが「5類感染症」に移行し、「ウィズコロナ」から「アフターコロナ」へと転換しました。社会生活や経済活動はかつてを取り戻しつつありますが、円安を背景とした物価上昇が私たちの生活を直撃する事態となっています。人口減少に伴う人手不足を実感している企業の声も聞こえてきます。世界に目を転じればテロや紛争が絶えません。山積する諸課題に議会として「何ができるか」「何をすべきか」を真剣に考え、職務に当たってきた1年を振り返りながら市政の動きを報告します。
スポーツ振興議会もアシスト
市議会では、「横須賀市議会実行計画〜未来への羅針盤2027〜」を昨年12月に策定しました。議員の任期である4年間で取り組むべき政策課題や必要とされている議会改革を項目ごとにまとめたものです。
手始めに「スポーツ振興検討協議会」が立ち上がり、議会としても本市のスポーツ振興を一層促進できるよう、議会提案による条例制定も見据えて動き出しています。この分野は行政も地域活性化の手段として力を入れており、野球やサッカーのホームタウンとしてだけでなく、BMXやストリートダンスなどのアーバンスポーツ、海に面した立地を活かしたウインドサーフィンを「する」「みる」「支える」の多様な接し方で身近に親しむ環境が整いつつあります。これを議会としてもアシストしていく考えです。健康の維持増進の観点からもスポーツは重要な役割を果たしますので、その点もしっかり議論していきます。
市議会を身近に若者の関心誘う
実行計画の中では、より活発な議論ができるような取り組みも検討課題として挙がっています。本市議会は「開かれた議会」「市民に親しまれる身近な議会」をめざしています。各議員が主張を持ち、より良いまちづくりに向けて熱い議論を交わしている議会に目を向けて欲しいと願っています。
若者が市政に関心を持つためのアプローチもしていく考えです。私たちは未来のまちづくりを次世代を生きる彼らに引き継いでいく責任があり、多様な意見を市政に反映していかなければなりません。その端緒として、効果的な情報発信に努めていきます。
余談になりますが、市役所9階の市議会フロアには全国で数々の賞に輝いた横須賀総合高校美術部歴代生徒の作品が壁一面に展示されています。若者の息吹と可能性を感じることができますので覗いてみてください。
名称変更職員の意識変化
横須賀市議会がNHKテレビの取材を受ける機会があり、議長である私も出演しました。2021年4月に「議会事務局」を「議会局」へと名称変更したことが報じられたのです。職員は議会(議員)の補佐役ではなく、ひとり一人が自主性を発揮して行動することを意図したものです。名称変更には重みがあり、この試みで職員が当事者意識を持つようになりました。知識や能力を発揮して議員をサポートする姿勢に変わり、やりがいを持って仕事に取り組む姿を目にしています。
よりよい議会には、議員と職員のリレーションシップが欠かせません。市民にとって何が必要か、何が役に立つかを最優先に考え、本年も活動を続けていきます。
「基地を抱えるまち」対応策で課題共有
「基地を抱えるまち」の課題共有を目的とした「全国市議会議長会基地協議会」の相談役にも引き続き就いています。基地対策施策の充実強化について、防衛省をはじめとする国の関係省庁に議長会の総意を結集して働きかけを行っています。私自身、政治家になる前は米海軍横須賀司令部で民事部長を務めていた経験があり、他のメンバーとは違った側面から課題を捉えることができます。市民生活への影響や地域福祉への貢献など積極的に意見を述べてきました。議長会・協議会で他の自治体の議長と意見交換することで新たな発見や気づきを得ることもできています。この経験を最大限活かし、引き続き横須賀市の発展につながる提案をしていきます。
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