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横須賀版 公開:2012年4月20日 エリアトップへ

連載:横須賀の子育て環境を考える―【7】 放課後、どう過ごす?

社会

公開:2012年4月20日

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 就労などで子どもを預かってもらいたいに保護者にとって、就学前までは保育所や幼稚園という「保育の受け皿」があった。しかし、子育て支援はそこで終わりなのか―。その次にぶつかる「壁」は、小学校に上がってからではないだろうか。

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 「小学校低学年で、帰宅後に家に誰も居ないのは不安だ」―。放課後の預け先はどうすればよいのか?長期休暇は?…など、新たな悩みが出てくる。いわゆる「小1の壁」だ。そこで、授業の終了後や夏休みなどの長期休暇中、保護者に代わって保育を行うのが学童保育(放課後児童クラブなど)と呼ばれるもの。児童福祉法の「放課後児童健全育成事業」として法制化されている。

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 横須賀市内には、今年4月時点で55の学童クラブがある。いずれも、授業終了後から概ね午後7時まで開所。宿題・遊び・おやつなど家庭での生活に近い。施設数は小学校区につき1ヵ所以上の割合だが、児童数の多い校区に複数の学童がある反面、空白地区もある。また、全国的に学童保育施設と利用児童数は増加傾向だが、神奈川県の設置率は全国平均を下回る72・2%、利用率も9・6%(全国平均は20・4%)にとどまる。

 必要とされている施設にもかかわらず、利用率が低いという現状には様々な理由があるようだ。市内の全学童のうち、小学校内で運営しているのが14施設。それ以外はビルや戸建ての賃貸物件が「放課後の家」となる。さらに横須賀市内の学童クラブは、民設民営。父母を中心とした「地域運営委員会」が運営主体となっている施設がほとんどだ。親たち自らが物件を探し、賃料を払い、運営を行うという形態は全国でも少ないという。国や市から施設・人件費の補助金交付もあるが、入所者の負担は大きく、1ヵ月の保育料が2万円を超える施設も多い。全国平均(8千円前後)と比べてもかなりの高額。運営も”綱渡り”だ。「保育料が大きな負担となるため『隠れ待機児童』が多くいるのではないか」と横須賀市学童保育連絡協議会では分析する。

 また、指導員の離職率も高いと言われており、人材確保と待遇向上も課題の1つ。「保護者の労働を支える仕事として、社会的にもっと認められるべき」との声もある。施設・指導員といったハード面の環境向上以外にも、障害児の受け入れなど、個々のニーズも多様化しており、同協議会では、これに伴う研修や補助金の加算なども市に求めているという。

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 市では放課後事業として、『わいわいスクール』を市内6校で実施し、全児童を対象とした遊び場の提供を行っている。また、青少年会館とみんなの家にも『ランドセル置場』を設けている。ただ、「子どもが放課後をどのように過ごすか」というテーマは同じだが、生活の場・遊びの場と各々の役割には違いがある。放課後の数時間、どのように子どもを守り、育てるのか―課題は多い。
 

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