地元住民が「祭り」を継承 鷹取中で体験学習
鷹取中学校の1年生47人が今月20日、祭りを通した日本の伝統文化を学ぶ体験学習を行った。2003年から始まった体験学習は今回で11回目を数え、湘南鷹取の住民でつくる「湘南鷹取みこし世話人会」のメンバーが講師となって毎年行われている。少子高齢化や若年層の地域離れなどが顕著となる中、伝統文化の継承と次世代の担い手育成をめざしている。
「皆さんは”祭”という漢字の成り立ちを知っていますか?これは肉を手に持ち、神様へ捧げる人の姿を表しています」―授業の冒頭では、祭りの起源や形態、移り変わり、なぜ祭りで神輿を担ぐのかなどの講義を受け、生徒は真剣な表情で聞き入った。実技の授業では、用意された揃いの半纏、鉢巻、木札を身に着けた後、本物の子ども神輿を担ぎながらステップの踏み方や掛け声を学んだ。「重くて肩が痛い」「難しい」と当初は覚束ない足取りで担いでいた生徒たちだったが、最後には息の合ったチームワークを見せ、「ワッショイ、ワッショイ」と威勢のいい掛け声を響かせていた。
来月2日にも講義と実技指導を受け、8月10日に鷹取小学校校庭で行われる「湘南鷹取まつり」で授業の成果を披露する。
卒業生が担ぎ手に
湘南鷹取は昭和40年頃に宅地開発された典型的な新興住宅地。そのため氏神神社がなく、平成8年に2基作られるまで神輿は所有していなかった。その後、「子どもたちの思い出づくりとふるさとづくりに神輿を活用しよう」と考えた有志らが「みこし世話人会」を結成。今では神輿を通して地域の連帯感強化、活性化にも寄与している。
現在、湘南鷹取地区の人口のおよそ39%が65歳以上で高齢化が進んでいるが、授業の成果は着実に結実している。みこし会の櫻井一宏さんによると、成人した同校の卒業生が地域の大人みこしの担ぎ手として活躍しているという。
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