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全国準優勝だ 三浦学苑

スポーツ

公開:2014年9月5日

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閉会式では準優勝のメダルを下げ、堂々の行進(8月31日/兵庫県  明石トーカロ球場)
閉会式では準優勝のメダルを下げ、堂々の行進(8月31日/兵庫県  明石トーカロ球場)

 第59回全国高等学校軟式野球選手権の決勝が先月31日、兵庫県の明石トーカロ球場で行われ、初出場の三浦学苑高校が中京高校(岐阜)と対戦。惜しくも0−2で準優勝となった。相手校の中京が準決勝で大会史上最長を更新する延長50回を制したことで、全国注視の異様な雰囲気の中で試合は行われた。三浦学苑は、延長サヨナラ勝ちを含む接戦を制して大一番に挑んだが、神奈川県勢として昨年の横浜修悠館高校に続く連覇は叶わなかった。


軟式野球部 初出場で大躍進


 三浦学苑は県代表を懸けけた予選から南関東大会、全国大会の全10試合中、5試合が逆転勝ち。その内の4試合はサヨナラで制するなど、粘り強さを自信に変えながら一戦ごとに成長を遂げた。

 全国大会の初戦の新田高校(愛媛)では、延長12回表に得点を許すも、身上とする「足でかき回す野球」で相手のエラーを誘い、チームの支柱である主将の山浦誠史選手(3年)が逆転のサヨナラ打。勝利を呼び込んだ。

 続く2回戦も結末はドラマチックだった。対戦相手は神港学園(兵庫)。延長10回表に1点を勝ち越されて、その裏の攻撃。ツーアウト満塁という極限の場面で、またしても山浦選手がレフトオーバーの2塁打を放ち、試合を決定づけた。

 連日のサヨナラ勝ちで勢いづいた三浦学苑は、全国屈指の強豪として知られる福岡大大壕(北部九州)にもチャレンジャーとして勝負を挑んだ。得意とする機動力野球が奏功し、4回・5回と得点を重ねて有利に試合を進めたが、2−0で迎えた最終回にピンチが訪れる。エースの櫨宏司選手(3年)が連打を浴び1点を奪われ、なおノーアウト満塁。しかし、ここからが本領発揮とばかり、堂々のピッチングで相手打者を3者連続三振。快投を演じて窮地を脱し、決勝進出を決めた。


舞台は異様な雰囲気


 激闘の末に手にした大舞台は、予想だにしない事態となった。中京と崇徳(広島)の準決勝は延長につぐ延長。2日間待たされた上に、対戦相手は2時間前まで決まらないという前代未聞の状況。マスコミも大挙として押し寄せ、多くの視線は中京に注がれた。

 「精神的に不利な状況になることは覚悟していたが、予想以上。試合開始前のノックでグラウンドに立つまで、完全に球場の雰囲気にのまれていた」と山浦選手。
 だが、試合開始のサイレンが鳴ると徐々に落ち着きを取り戻し、テンポよく試合は進んだ。3回表には野口歩選手(2年)がライト前にクリーンヒット。山浦もセンター前に弾き返して先制のチャンスを迎えたが、得点に繋がらなかった。

 5回まで0−0。均衡を破ったのは、三浦学苑エース櫨選手の制球が乱れ始めた直後だった。ツーアウト3塁の場面で痛恨のワイルドピッチ。先制を許してしまった。次の回にも1点を献上。打線は途中から登板した中京エースの松井大河選手に1安打と封じ込まれ、全国優勝の夢を阻まれた。


「悔しいけど胸を張る」


 試合後の選手の表情には、満足感と頂点に届かなかった悔しさが入り混じった。

 試合後の会見で山浦選手は「相手チームが一枚上手。松井選手は素晴らしい投手。攻略は難しかった。結果は、悔しいけれど胸を張る。中京には10月の国体でリベンジしたい」と早くも次への意欲を話した。

 決勝のマウンドをひとりで務めた櫨選手は「いいピッチングが出来ていただけに、悔しい思い。自分のミスを機に2点をもぎ取られた。これまで負けたと思う試合を何度もはねのけてきたけれど、最後の最後で粘れなかった」と悔しさをにじませた。


100キロ走破で自信


 今夏の三浦の躍進を支えたのは、昨秋の県大会で味わった苦い経験だ。チームの力を確信していたが結果は初戦敗退。以降、ミーティングを繰り返しながらチームと個人に足りないものを洗い出し、練習だけでなく生活面にも踏み込んで鍛錬を重ねた。選手が口を揃えるのは、昨年末の集中練習で行った5日間で100キロを走り切るランニング。「何も結果を出していない自分たち。達成感を味わいたかった」(山浦選手)と全員で挑み、やり遂げた。

 大会を通じた粘りはそうして養われた。今夏の大会でも幾度となく訪れた厳しい局面。チームの合言葉は「あの100キロを思い出せ」だったという。

スタンドから熱い声援

 全国大会で決勝進出が決まると、同校では急きょバスを仕立てて兵庫県明石へと応援に駆け付けた。深夜発のスケジュールにもかかわらず、同校関係者や父母、軟式野球部OB約40人が集まった。

 同部OBの山本竜也さん(19歳)は現役時代に着用していたユニフォームを持参。「後輩の大活躍に居ても立っても居られなくなった」と話し、アウトを一つ取るごとに拳を突き上げた。マネージャーの横田菫さん(2年)は、「気持ちはグランドに立つ選手と同じ。いつも一緒に戦っている」と、青のメガホンを手にして声を枯らした。

 吹奏楽部の演奏も光った。「応援を通じてチームとの一体感を得られた。貴重な経験」と米田未来さん(2年)は笑顔でコメントした。

 

●吉田雄人横須賀市長 

 全国大会初出場での準優勝は誇るべき快挙です。
 初戦から延長戦を制し、試合を重ねるごとにチーム力を高めた賜物です。決勝戦では対戦相手がなかなか決まらず大変苦労されたことと思います。
 また、長崎国体出場おめでとうございます。目標新たに活躍することを期待しています。

●多賀敏夫三浦学苑同窓会会長(昭和34年卒業)

 2年前のサッカー部全国制覇に続いて軟式野球部が全国準優勝という偉業を成し遂げました。私自身が同部の出身のため、感激もひとしお。スポーツで躍進する母校の姿は実に晴れがましい思いです。

 今夏の軟式野球部は、全国大会の決勝に挑むまでのプロセスが素晴らしい。最後まであきらめない不屈の精神があったからこそ大きな成果を手にすることができました。これは後の人生でも必ずプラスになるものです。

 

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