障害児を抱えて、どこで何を相談できるの? サービスの受け方は? 周囲との関わりあい方や日常生活の不安―。横須賀市療育相談センター・通園部門「ひまわり園」の保護者が今年4月、WEBサイト「SUKASUKA(すか)-IPPO(いっぽ)」を開設する。「当事者だから分かる”気付き”を共有し、発信したい」―。そんな思いを込める。
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「私たちは障害児を育てる普通のママ」。そう話すのは、五本木愛さん(鴨居在住)。現在、同園保護者会の会長を務め、市の教育分科会などに参加して気付いたことがあった。「市内の活動団体や制度の仕組みを知る機会が少ない」と。そこで、分科会などでの情報をまとめた通信を発行。しかし、この作業を役員が続けていくのは大変なこと。それならば、私たちが「知りたい」と思うことをWEBで発信しよう―。これに、保護者会の役員も賛同。子どもが抱える障害は違えど、同志のようなつながりがある。
サイトは「横須賀のバリアフリー子育て情報局」として、療育のしくみや支援機関、施設や民間事業者の紹介など多種多様。遊び場やバリアフリーの店舗など、実体験をもとにした記事も用意している。さらに、悩みや心配事をざっくばらんに語れる「しゃべり場」も企画していくという。
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愛娘・麗(うらら)ちゃんの「成長の遅さ」を感じ、病院に駆け込んだのが1歳の頃。あらゆる診療科で検査し、1年がかりで分かったのは「アンジェルマン症候群」という、聞き慣れない疾患だった。不安だらけの4人目の子育て。情報を集めるとともに、発信することで、周囲に理解を求めていった。
わが子が障害をもっていたら―。「親自身が受け入れきれず、こもりがちになるケースも多い」と五本木さんは話す。だが、早い時期に療育や支援機関とつながることで、子どもだけでなく、親の生活環境も変わるはず。「その”一歩”を後押しすることができたら」と話す。
五本木さんには忘れられない言葉がある。「この先、両親が亡くなったら、ぼくはどのように生活するのだろうか」と障害者作業所に通う成人が発した一言だ。将来に不安を感じる声と、自分たちの子どもの将来を重ね合わせた。この活動から資金を捻出し、法人化することも考えている。地域に根差して、閉鎖的な環境を開き、「親と子の未来を描く支えになりたい」と話し、笑顔を見せた。
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