画家・山口功さん(東逸見町在住) ”第2の故郷”に思い馳せ ブラジル描いた個展
アマゾンのジャングルから昇る朝日、いかだ船を押して大西洋に出る地元漁師―。自身がブラジル放浪中に同国の”匂い”を感じた瞬間を切り取り、スケッチ用紙に描いてきた山口功さん(80)。水彩画として手を加えた109作品を、9月5日(月)から東京の銀座にある「ぎゃらりい サムホール」にて開く「わが心のブラジル展」で披露する。
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ブラジルに縁を持ったのは、さかのぼること50年、30歳の時。働いていた東京のふすま屋に恩を感じつつ、「いろんな海が見たい、誰も知り合いがいない世界に行きたい」と放浪の旅に。マラッカ海峡、インド洋、大西洋…2カ月を経て辿り着いたのが地球の裏側、南米大陸だった。
停泊中のブラジルで、日本人移民と知り合ったことをきっかけに、しばらく滞在することに。カカオ畑などで働きながらアマゾンに代表される大自然、豪邸とホームレスが混在する街など、日本にはない世界を、独学していた絵で表現していった。
ある町で出会った1組のドイツ人夫婦。似顔絵を書くと「この絵がほしい」とお金をもらった。以降、画家・山口功として、多くの似顔絵を描きながら、生計を立て、1年半を暮らした。
半世紀の節目に
帰国後から現在までは、自分が描きたいと感じた作品をジャンルに捉われず自由に作り上げ、東京を中心に数多くの個展を開催している。自宅兼アトリエは東逸見町の高台にある戸建。山や海が間近にあることが画家としての活動拠点にふさわしいと30年程前に越してきた。その間も現地で世話になった家族とお互いに行き来しあったり、厚木市にあるブラジル人学校で講師を務めるなど交流は続いている。
ブラジルへ最初に渡って今年でちょうど半世紀となる。節目の年にちなみ、今回初めて同国をテーマにした個展を開くに至った。第2の故郷と呼ぶ土地の「魅力を感じ取ってもらえれば」と山口さん。
展示会期は9月11日(日)まで。時間は午前11時から午後7時(最終日は5時)。
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