地域の多世代の人が集うコミュニケーションの場、銭湯。住宅事情の変化などに伴い、町の”お風呂屋さん”も減少傾向にある。「人が集まる場所を、もっと活用できれば」―。そんな計画が動き出している。
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追浜東町商店会の中程にある「ニュー松の湯」。祖父の創業から3代目にあたる山崎涼子さんらが取り組んでいるのが、地域の賑わい拠点づくりだ。不動産関係の仕事の傍ら、「ゆくゆくはカフェを立ち上げたい」と、市内の調理専門学校に通っていた山崎さん。その後、知り合ったカフェ事業の関係者に紹介されたのが、県の進める「未病を改善する取組支援事業」。空き店舗を活用し、”未病”に関連した拠点創出に助成を行うというもの。
松の湯では、25年前に建て替えた際に喫茶室を設けていたものの数年で使わなくなり、空きスペースになっていた。専門学校で介護食を学んでいたこともあり、「食と健康を身近に感じて、多くの人が集える場所ができれば」と同事業に手を上げ、今年6月に採択された。
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山崎さんの兄と姉、近隣の店主、助産師らと「3代目プロジェクト」として、活動をスタート。かつての喫茶室を改装し、身体と心に”効く・聞く”という意味の「KIKUカフェ」を11月中旬に開設する。「追浜は高齢者も多いが、若い子育て世代も増えている。育児の合間にほっと休めるスペースとして活用してもらえれば」と話す。心の健康にも一役立ちたい―そんな想いもある。
カフェでは、未病の改善を意識してもらえるよう、健康食材を活用したランチプレートや、コーヒー・紅茶の効能説明なども取り入れていく考えだ。また、商店会内の牛乳店と連携した骨密度測定のほか、口腔ケア等の講座も計画しているという。「お風呂と健康は密接に関係している。銭湯の開放感、これに地域のふれあいも交えることで、相乗効果になれば」と話す。
カフェオープンに先立ち、10月9日(日)には「銭湯寄席」を開催。「笑うことは、元気の源。銭湯ならではの空間も楽しんでほしい」。健康と地域をキーワードに、構想はさらに膨らんでいる。
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