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横須賀版 公開:2016年12月23日 エリアトップへ

Look Back at 2016 ~紙面から振り返る横須賀の1年~

社会

公開:2016年12月23日

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 五輪イヤーの2016年、横須賀市内でもスポーツや文化面で明るい話題に沸いた年だった。一方、市政では市議会による100条委員会で吉田雄人市長が告発されるなど、混迷が続く。この1年を紙面から振り返る。

市政

100条委の審議終結

 市議会での発言に端を発し設置された「吉田市長の不透明な市政運営に関する調査特別委員会(100条委員会)」では計24回の審議の結果、市長を含めた3人が告発された。先月末に横浜地検横須賀支部で受理されており、起訴に相当するか検討がされている。

 2月の市議会施政方針演説で吉田市長は中学校の完全給食実施を明言。市議会での議論や市民からの請願、中学生を取り巻く現状を受けたもので、7月の総合教育会議で正式に決まった。実施方式など、市役所関連部局等らによる議論が進んでいるほか、議会による「(仮称)給食条例」の制定に向け、パブリックコメント聴取も行われている。

サポセン移転に異論

 計画が打ち出されてから2年、「施設適正化」の動きが進んでいる。今年は、地域ごとの施設集約や廃止など「分野別計画」の市民説明が各地区で行われた。市民活動サポートセンター(本町)の産業交流プラザ3階への移転に関しては、利用団体などから反対の声が噴出。先ごろ「一階存続を求める市民の会」も立ち上がっている。

 市は6月、写真や書籍資料を整理保存していた市史編さん係の廃止を打ち出した。資料を分割保存する計画だったが、一括保存を求めた関係者からの請願が市議会で採決されたことを受け、来年4月、中央図書館に市史資料室を新設する方針に転換した。

歴史遺産の活用探る

 横須賀市を含めた旧軍港4市が鎮守府のまちとして「日本遺産」に認定されたのが4月。市内の構成文化財は東京湾要塞跡など16点で、市は歴史・文化遺産を観光集客につなげていく意向だ。

 約3年越しの活動で”里帰り”したのが、横須賀海軍工廠で建造された戦艦「陸奥」の4番砲塔(主砲)。9月、お台場から海上輸送で、ヴェルニー公園内に移設。台座に置かれる瞬間を多くの人が見守った。周辺整備を行っており、来年3月に記念式典が行われる。

看取りと終活支援

 市の取り組みが全国的に評価を受けた事業もあった。7月に厚生労働省が公表した在宅医療に関する調査で、20万人以上の自治体での在宅死亡率が全国トップの22・9%だった。市内では、医師会を中心に多職種連携で在宅医療の拠点・体制づくりが進んでいる。 また、身寄りのない高齢者の「終活」を支援する「エンディングプランサポート事業」では、市内葬儀社との連携に加え、11月には神奈川歯科大と献体に関する協定を結んだ。

若者×まちづくり

「18歳」に選挙啓発

 7月の参議院議員選挙から導入された18歳選挙権。市内では、約8000人が新たに有権者の仲間入り。若者の政治への関心を高めるため、地域団体による啓発イベントや出前講座などが行われた。参院選の投票率は、18歳に限り市内平均を上回っている。

 若者目線による「まちづくり」の取り組みも活発化。ネイビーパーカーを生み出した学生団体「スカペンコ」による政策コンペでは、空き家問題なども取り上げられた。

主役は高校生

 若者による文化発信も光った今年。1月に行われた「高校生ミュージカル」では、市内在住・在学の高校生がキャストや裏方を務めた。手作りの舞台は好評で、8月には新たなメンバーで上演された。

 湘南学院高校では、生徒会が中心となり「おりょうポスト」の設置に取り組んだ。ブロンズ像の製作費用はクラウドファンディングを活用し、10月のおりょう墓前祭で披露された。

文化

ジャズのまち再び

 今年は、横須賀ならではの文化を再確認する年でもあった。

 EMクラブを中心としたかつての「ジャズのまち」の復興をめざし、市民有志がヨコスカ・ジャズ協会を立ち上げた。9月には、「ヨコスカ トモダチ JAZZ 2016」を開催。プロ・アマ総勢400人のジャズミュージシャンが参加し、街中を音楽で彩った。来年はどぶ板通りをバーボンストリートに見立てた展開や、地元中高生を集めた「ジュニアJAZZ」の企画も進めている。

 新たな国際交流の輪も広がっている。7月に浦賀の古民家で行われた写真展「フランス海軍が浦賀で過ごした日々」が好評を博した。1950年代、艦船修理のため滞在していたフランス海軍兵の父親が遺した当時の写真や資料を携え、クリストフ・レジェさんが来日。1週間の会期に約千人が来場する盛況ぶり。すでに次回の開催に向けて、実行委員会が立ち上がっている。

地元発の映画製作

 「よこすかの映画を作ろう」という構想から約3年。11月に『スカブロ』の撮影が行われた。どぶ板を舞台の中心に、横須賀にゆかりのある俳優らが出演。市内各所がロケ地となった。編集作業が進んでおり、来春の公開が決まっている。

 市内出身の橘ケンチさんとEXILE TETSUYAさんが10月、「横須賀盛り上げ大使」に就任した。2人はオリジナルダンスを市に提供、今後は学校での体育授業や運動会などでの活用を図っていく予定。

ポケモンGO積極活用

 サブカルチャーの分野でも話題が尽きなかった。世界的に一大ブームとなった「ポケモンGO」では、横須賀市も地域活性に積極活用。「ヨコスカGO宣言」では観光マップと連動した企画のほか、商店街の集客にも活用された。

 横須賀を舞台にしたアニメ「ハイスクール・フリート(はいふり)」は、4月のテレビ放映開始以降、ファンによる”聖地巡礼”や飲食店とのコラボ企画が好評。一定の経済効果が見られた。

スポーツ

世界大会の誘致実現

 ウィンドサーフィンのW杯が津久井浜海岸で開催されることが決まった。日程は、来年5月。地元では大会運営に関連し応援組織も立ち上がっており、愛好者でもある俳優の石丸謙二郎さんが、広報アドバイザーに就任している。

 9月のリオパラ五輪では、坂本町出身の山口貴久さんがウィルチェアー(車いす)ラグビー選手として活躍。銅メダル獲得に貢献し、横須賀市スポーツ大賞が贈られることが決まっている。

 横浜DeNAベイスターズが、練習場など2軍本拠地を追浜の横須賀スタジアム周辺に集約することが明らかになったのは4月。オープンは2018年度末を予定しており、地域の野球・ソフトボールチーム等の球場代替地は、アイクル横(浦郷町)や佐原の文教地区に整備する方向。

次世代育成に本腰

 4年後の東京五輪、さらにはその先の世界大会を目指す世代の育成強化も始まっている。横須賀市は5月、くりはま花の国にあるエアライフル場を改装した。国際基準の競技場を備え、技術向上を後押しする。

 また、横須賀市体育協会は小6・中1を対象に「ジュニアトップアスリートアカデミー」を開講。11月から、レスリング・新体操・ライフル射撃・セーリングの4種目で約40人が育成プログラムを受けている。

 社会人も負けていない。60歳以上の選手が出場する、全日本選抜還暦軟式野球大会で「横須賀シニア」が頂点に立った。チーム最高齢は83歳。市勢としては初の快挙だった。

 サッカーでは、市内の社会人チーム「横須賀マリンFC」と「横須賀CITY FC」が10月、それぞれ県2部リーグブロックで優勝。念願の1部昇格を果たしている。

経済・地域活性

中央地区に変化の兆し

 市内では賑わい創出や跡地の事業計画にも関心が集まった。

 昨年11月に竣工したザ・タワー横須賀中央の商業施設「LIDRE」は、4月に全面オープン。横須賀中央地区では10月・11月、若手商店主らが中心になり「街市」を開催。対面販売で商品や事業をPRする企画で、来年も3月の実施が決まった。

 11月には、旧横須賀警察署の跡地が約28億で都内のマンション事業者に落札された。また、横須賀中央大通りのパシオス跡地にマンションが建設されることが明らかになっている。

 追浜では10月、2企業の工場新設が決まった。雇用創出や交流人口の増大など、さらなる活性化に期待が高まっている。

 衣笠商店街では一角にあった空き店舗に「まちなかキッズパーク」を開設した。買い物に訪れる若い親子をターゲットにしたもの。木製遊具が設置され、利用者から好評を博している中、売り上げ面での寄与など、検証が進んでいる。

子ども・教育

遊び・学びの環境充実を

 市に対し「自由な遊び場を」と小学生が声を上げた。6月の市議会に児童5人が陳情を行ったもの。審査は終了となったが、未成年による異例の「物言い」に対し、関心が集まった。

 全国的な動きとなった「子ども食堂」が市内でもスタートした。食支援団体が、市内のコミュニティセンターなどで夏ごろから定期開催。また、民間介護事業者が放課後学習支援の場を設けるなど、地域での支援活動が広がっている。

 幼児教育の場では、地域や保護者の請願もあり、市立幼稚園(諏訪・大楠)の廃止が先送りとなった。市が設置を計画している「認定こども園」計画の見通しも影響しており、今後の先行きは不透明。

地産地消・グルメ

独自視点で商品開発

 生産者や飲食店が地産地消の発信に力を入れる中、グルメ企画も花盛りだった今年。県の未病対策事業に関連した「健康食堂」や、緑ヶ丘女子高校とのレシピ考案など、地場産物PRに「健康」のキーワードを付与させた企画が目立った。

 今月スタートしたのは「よこすかピッツア・ブラック」。三浦・イタリア両半島の地形や気候などが相似することからアイデアが生まれた。「黒船」を彷彿する黒い生地やソースを用いた地産地消ピッツアを、市内の飲食店が開発。斬新なコンセプトを打ち出している。
 

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