6歳から19歳の多感な成長期を横須賀で過ごした写真家・石内都さんの個展が、横浜美術館(横浜市西区)で開かれている。会期は3月4日(日)まで。
横須賀を題材にした作品でデビューしてから、昨年で40年。住人のいないアパートや身体の傷跡、大正・昭和の女性たちが愛用した絹織物、亡き母や被爆者らの遺品―など”時間の記憶”を綴ってきた。
今回の個展は、国内では8年ぶりとなる大規模なもの。「石内都 肌理と写真」と題し、横須賀での活動以降を区切りとして、現在暮らす「横浜」のほか、出生地の桐生市に伝わる「絹」をテーマにした作品、「無垢」「遺されたもの」の4部構成で、初期から未発表作まで約240点を見ることができる。
写真家としての原点
同時開催のコレクション展では、初期の代表作「絶唱、横須賀ストーリー」の全55点を展示している。1960〜70年代当時、横須賀に抱いていたのは、違和感や嫌悪といった感情だったという。ふとしたことからカメラを手にし、米軍基地のある特異な街の姿、光と影のコントラスト、時代の息遣いをそのまま閉じ込めたような粗い粒子の「ヴィンテージプリント」で映し出した。のちに石内さんは、この街を「良くも悪くも大きなカルチャーショックを受けた場」と語り、同作を「写真を始めた時期の思い入れの強いもの」と話している。
展示に関する問い合わせは、横浜美術館【電話】045・221・0300
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