学芸員のイチ推し! -連載 Vol.13-
60日おきに夜通し行われる行事 庚申講
昔は日々を、十干・十二支を組み合わせた60通りの呼び方で呼んでおり、そのうちの「庚申(かのえさる)」の日の夜に、何軒かの家が集まって夜を徹して語り明かしていました。これを「庚申講」と呼び、60日ごとに巡ってきます。
庚申の夜に、体内にいる三尸(さんし)という虫が、睡眠中に体内から抜け出して天帝に日頃の罪を告げに行き、その人を早死にさせてしまうと言われ、その夜は眠らずに起きていたほうがよいと考えられていたためです。
庚申の夜、宿をつとめる家ではごちそうを準備しました。市内の場合、料理の中身は、菱沼ではコンニャクが入っていたり、南湖ではアジなどを刻んだナマスが入っていました。また、「ややこしい話をするなら、庚申の晩にしろ」や、普段の夜でも遅くまで話をしていると「まるでお庚申様の晩のようだ」と言われることもあり、近隣住民にとってのコミュニケーションの場でもありました。
博物館の基本展示には17のテーマがあり、年に3回展示が入れ替わります。庚申講の講用具などが見られる「むかしのいのり」を含む5つの新しいテーマは、10月28日(土)から展示します。
■10月24日(火)〜27日(金)は展示替えのため臨時休館、11月1日(水)から当面の間は閉館時間が17時に変更となります。
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