河野太郎「外務大臣就任にあたって」
これまでの皆様のご支援のおかげで、このたび外務大臣を拝命いたしました。
就任以来59回の外相会談を数え、ASEAN外相会合、日米外務・防衛大臣会合、アフリカ開発会議、東方経済フォーラム、日アラブ政治対話、国連総会と世界を駆け巡ってきました。
外務大臣として私が特に取り組みたいもの、取り組まなければならないものがあります。
朝鮮半島の非核化 周辺国と連携強化
第一に北朝鮮の核・ミサイル問題の解決です。北朝鮮を核保有国として認め、共存を図るために交渉すべきという意見もありますが、日、米、韓、中、露、すべての国が朝鮮半島の非核化を目指しています。
強固な日米同盟を基盤として、韓国や中国、ロシアとしっかり連携し、北朝鮮の核とミサイルを放棄させる努力をしていきます。
近隣国の友好関係 相互の努力で築く
第二は、近隣諸国との関係強化です。北方領土や歴史認識、軍拡など問題もありますが、互いの努力で良好な関係を築き上げていく必要があります。
日中両国が、二国間の問題だけでなく、肩を並べて気候変動のような地球規模の問題の解決に取り組んでいくべきです。
河野外交の特色 中東で出したい
第三が、中東への関与の強化です。日本は、イスラム教やユダヤ教、キリスト教のいずれとも特定の関係になく中立的で、歴史的にも植民地化の過去がありません。エジプトの大統領が、日本人は「歩くコーラン」だと語ったように、日本とアラブの価値観は似たところがあります。
パレスチナをはじめアラブ諸国への日本からの支援は高く評価され、日本と中東すべての国々は極めて良好な関係にあります。そして日本は、中東で大きな役割をはたすアメリカと率直に話し合いができます。
私は外相就任以前からヨルダンの国王やサウジアラビアの皇太子をはじめ、中東で人脈を築く努力をしてきました。中東で「河野外交」の特色を出していきたいと思っています。
CTBTの発効へ 世界へ発信続ける
第四は、軍縮・核不拡散です。私は初当選以来、軍縮議員連盟や不拡散核軍縮国際議員連盟の一員として活動してきました。
核兵器禁止条約は核の脅威にさらされていない中南米、アフリカ、太平洋の島嶼国などの支持を得たものの、すべての核保有国は参加せず、また非核保有国の間も分裂してしまいました。
米国と日本を含む米国の同盟国は、アジアであれば北朝鮮あるいは中国、欧州であればロシアが核兵器を放棄する前に核兵器を禁止することは、抑止力に問題が出ると考えています。
日本は、核保有国も参加する包括的核実験禁止条約(CTBT)などを早期に発効させ、段階的に核保有国の核兵器を削減し、最終的に核廃絶を目指す現実的アプローチをとっています。
外相就任以来、私は、ティラソン国務長官に米国のCTBT承認を働きかけ、また、国連総会では「核不拡散軍縮イニシアチブ」の会合を主催するとともにCTBT発効促進会議の議長を務め、安保理の「不拡散」に関する公開討論でも発言してきました。一朝一夕に解決する問題ではありませんが、核軍縮は外相としての私の大きなテーマです。
自由貿易の堅持へ TPPを早期発効
第五は、自由貿易の堅持です。自由貿易は世界経済を発展させ、拡大してきました。他方で、世界中で格差の拡大や失業、避難民の流入といったことが起こり、保護主義の台頭に繋がってきました。
TPPはアジア太平洋地域における新たな経済ルールを創りあげていこうという試みです。TPPと同時に、既に大枠合意に至っているEUとの経済連携協定も早期に発効させます。そして、中小企業や農家にも海外の市場にアクセスする道を開いていきます。
内閣の連帯責任
日本やイギリスのような議院内閣制には内閣の一員は、内閣の政策すべてに連帯して責任を負うという大原則があります。
閣僚は政府内で自由に議論することができます。しかし、ひとたび政府の方針が決定されれば、閣僚は対外的にそれを支持しなくてはなりません。発言の自由を取るか、発言は制約されても自分の担当分野の政府の政策を決定し、実現する力を取るかという選択を迫られます。
私は、前回入閣したことにより、例えば原発の再稼働の可否について発言する自由を失いました。
しかし、防災担当大臣として、米軍の原子力艦船の原子炉の緊急事態判断基準を商業用原子炉と同じ水準まで引き下げたり、行革担当大臣として、毎年約二百億円の維持費を費やしていた高速増殖炉「もんじゅ」の予算にメスを入れ、結果的に廃炉にしたり、原子力予算を精査し、削減することができました。
さまざまな問題で発言し、世論を形成していくのも政治家の仕事ですが、政府の方針を決め、実行するのは閣僚でなければできない大きな仕事です。
外務大臣としても、日本の未来をしっかり守り、創りあげてまいります。
■企画・制作/自民党神奈川県第15選挙区支部【電話】0463・20・2001平塚市八重咲町7の26
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