平塚江南高校で18日、味の素で26年間の海外駐在生活を経験、現地法人の社長などを務めた同校OBの酒井芳彦氏(現・海外職業訓練協会アドバイザー)が訪れ、母校の後輩たちに「世界に通じるグローバル人材」について講演した。卒業生の経験を生徒の教育に役立てる「助っ人バンク」を通じ、江南同窓会(真壁佐一会長)が3年生対象のキャリア講座に招いた。
酒井氏は、味の素でペルーやブラジルに出向、海外市場の開拓などに努め、シンガポール、欧州、フィリピンなどで現地社長を歴任した。1996年のペルー日本大使公邸人質事件で、127日間の人質生活を送った経験を持つ。
「(担当した)アフリカでは日本全国と同じ量の味の素が売れるようになった」と話す酒井氏。世界経済で揉まれた経験を踏まえ、「語学はもちろんだが、日本を知らずしてグローバルマインドは語れない。日本人としての誇り、基軸、アイデンティティーを持って海外に出て欲しい」と求められる人材について語った。
また人質事件では、テロリストのグループに日本語やピアノを教えるなどコミュニケーションを交わしていたことが奏功し、ペルー警察が公邸に突入した際に犯人たちが人質を撃つことができなかったという生々しい証言も紹介した。
同校の小野文生校長は「学校の先輩ということで、生徒は親近感を持ちながら大いに刺激を受けたと思います」と感謝していた。
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