「その電話に騙されるな」 振り込め詐欺 地元は無事でも県内2億円超える被害
振り込め詐欺の発生が止まらない。今年2ヵ月間で県内の認知件数は106件。前年同時期に比べて17件増加しており、被害総額は2倍近くの約2億2千万円に拡大。大磯警察署管内では2月末日までのところ被害は出ていないが、同署生活安全課は「息子や孫を名乗る人物から『携帯電話の番号が変わった』と電話がかかってきたら、詐欺だと疑ってほぼ間違いない。騙されないで」と注意を呼びかけている。
今年に入ってから2月28日まで近隣の平塚市内で4件の振り込め詐欺事件が発生。横浜市で400万円、鎌倉市では700万円を騙し取られるケースがあった。県下の被害総額は2ヵ月間で約2億2千万に達している。このままのペースでいくと、昨年1年間の被害総額11億2千万円を超えそうな勢いだ。
大磯署・松田署管内では幸いにも振り込め詐欺の被害が起きていないが、詐欺を狙ったニセ電話はこの地域にもかかってきているという。息子や孫を名乗る者が「借金の保証人になった」「妊娠中絶の費用が要る」「痴漢で逮捕された。示談金を払わないと会社でクビになる」などといって振り込みを要求する前は「携帯電話の番号が変わった」と電話をかけてくることがほとんど。「被害に遭わないためにこの段階で振り込め詐欺だと気付くことが肝心。その上で今までの番号に電話して本人と確認すれば安心できる」と大磯署生活安全課では話す。
神奈川県警が平成21年2月から8月にかけて振り込め詐欺の被害者305人から協力を得て行った調査によると、振り込め詐欺とその手口について「よく知っていた」「少しは知っていた」人が79%。しかし、犯人から電話を受けて振り込むまでに「詐欺ではないかと考えた」「少し考えた」人は22%。78%の被害者は全く考えずに振り込んでしまったと回答している。「身内の一大事に頭の中が真っ白になり、『お金で解決できれば』と冷静な判断ができなくなってしまうのではないか」と同課は分析する。
被害防止を図るため、両署とも警察官による戸別訪問や老人会の集まりでの防犯講話、金融機関との連携、電話作戦などで引き続き注意を呼びかけていく。疑わしい電話がかかってきた場合は最寄りの警察署か警察相談窓口の「♯9110」へ通報を。なお、振り込め詐欺には代理の受取人を自宅へ向かわせて現金やキャッシュカードを手渡しで奪い去っていく手口や郵便小包を使う手口などもある。
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