大磯町 “マコモタケ”特産に 耕作放棄地を有効活用
大磯に新たな特産品を――町は休耕または耕作放棄された田んぼを活用して食用の「マコモタケ」を栽培、9月末に収穫を始めた。観光客誘致に力を入れる町の核となる食材とするため、ブランド化を進めていく意向だ。
マコモタケはイネ科の多年草で中国や東南アジアでは高級食材として知られている。タケノコを柔らかくしたような歯触りとほのかな甘みが特徴で、和洋中いずれの料理にも使用可能。穂は高さ2mに成長し、秋に根元の新芽を収穫する。
耕作放棄地が増え続けるものの、農家の高齢化や後継者不足で対策に苦慮していた大磯町。栽培に適した植物を探していたところ、石川県や愛知県などで特産品として育てられているマコモタケを知った。
町は昨年2月に愛知県新城市を視察し、株分けしたマコモタケを入手。稲の田植えと同時期に、西小磯にある150平方メートルの休耕田で試験栽培を始めた。収穫物の出来は良く、飲食店に配布した試供品の評判も上々。そこで今年は本格的に栽培を開始しようと農家に呼びかけ、西小磯の西方安雄さん(※中面「人物風土記」)の協力を得た。
西方さんは900平方メートルの水田でマコモタケを栽培。9月末から1ヵ月間で収穫する。町産業観光課では「立地条件も味も良いことがわかり、今後の展開が楽しみ。観光客を呼べる食材にしたい」と意欲を見せる。当面の課題は販路の拡大。同課では町主催のイベントや給食での取り扱い、町内飲食店への営業活動を進めている。今年は直売と大磯駅前の地場屋ほっこりで販売が決まっている。
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