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16世紀のキリシタン画か 澤田美喜記念館の収蔵品

文化

公開:2018年12月14日

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「ご聖体の連祷と黙想の図」の「栄光の玄義」の部分=澤田美喜記念館提供
「ご聖体の連祷と黙想の図」の「栄光の玄義」の部分=澤田美喜記念館提供

 隠れキリシタンの遺物を展示する澤田美喜記念館=大磯町大磯=で収蔵していたキリシタンの信仰画「ご聖体の連祷(れんとう)と黙想の図」が、1600年頃の安土桃山時代に描かれたものと見られることが同館と専門家らによる調査で分かった。横浜市歴史博物館=都筑区=で開催中の企画展で一般公開され、注目を集めている。

 信仰画は「受胎告知」や「聖霊の降臨」など聖母マリアとキリストの生涯を15の場面に分けて描いた絵画。聞き取ったラテン語を仮名で記した祈りの言葉も連ねられている。12枚の和紙をつなげた巻物で、幅22cm・長さ3m20cm。

 巻末の「御出世以来千五百九十二年 はうろ」の記述から「パウロという洗礼名を持っていた信徒が書いたのでしょうか」と同記念館の西田恵子館長は話す。

 今回の調査は、信仰画の修復を計画した同館が資料の価値を確かめるために行われ、キリスト教史や文字の研究者らが加わった。書体に江戸期以前の変体仮名が使われていることや、刀装具の鑑定士によると、描かれた人物の刀の下げ方が戦国時代よりも古い時代の様式であることなどが確認された。放射性炭素による和紙の年代測定で、1556年から1633年制の紙を用いていることも判明したという。

 聖母子を描いた15場面のキリシタン画はほかに、京都大学総合博物館と大阪府の茨木市立文化財資料館にある「マリア十五玄義図」の2点が現存。これらはいずれも江戸初期の作で着色の西洋画であるのに対し、「〜黙想の図」は日本画風の描写が大きな特徴で絵と祈祷文が一緒になっているのは珍しいという。

 西田館長は「1590年頃は信徒が増えた時期。祈祷書の普及が追いつかず、教本的な目的で信仰画が描かれたのかもしれない」と推測する。今後は国公立の博物館へ貸し出し、同館ではレプリカを展示する予定。

 初公開を行っている横浜市歴史博物館の企画展「神奈川の記憶―歴史を見つめる新聞記者の視点」は2019年1月14日(月・祝)まで開催中。

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