横浜市で6月に開かれた神奈川県洋菓子協会作品展で、二宮町のパティスリー・サンマローに勤める6人の菓子職人が3部門で賞に輝いた。若い感性と修業に打ち込む向上心で菓子作りに一層力を注いでいる。
工芸菓子のショコラ部門で銀賞を受賞したのはパティシエ歴3年の奥田郁香さん。「tea time」をテーマに、チョコレートで作った華やかな赤い花や葉っぱ、カップ&ソーサーなどをあしらい、高さ約50センチの造形美を表現した。制作期間は3カ月。チョコの艶を出すための温度調節に苦心したという。「もっと頑張らなければ」と受賞を励みにする。
小さいケーキと焼き菓子の腕前を競うプティ・ガトーの部では、池田遼さんが銅賞に選ばれた。ピスタチオやフランボワーズ、マスカルポーネなどを使用して4種類の菓子を出品。味覚の審査もあり、池田さんは「生地のサクサク感やムースの滑らかさといった食感も大事にした」と話す。
22歳以下が対象のジュニア部門には、マジパン仕上げを出した4人が入賞。スポンジケーキの土台にアーモンドと砂糖を練り合わせたペーストをデコレーションした菓子を制作した。いずれも独創的なデザインや繊細で可愛らしい細工、芸術性などが目を引く作品だ。
「マジパン粘土で人形と動物の顔の表情を作るのが大変だった」。大好きなチョコレートの原材料カカオを主題にしたという勝亦健二さんは、同部門最高賞にあたる県議会議長賞を受賞。緑や黄の色合いも鮮やかなカカオ豆の周りに仔リスや子どもたちが賑やかに集う世界を表した。ミニチュア人形のミリ単位の靴やソフトクリーム、花びら1枚1枚など、手先の器用さと技巧を凝らした細工を手掛けた鶴山香菜さんが金賞、小倉美羽さんは銀賞、西村梓さんが銅賞を獲得した。
同店の代表でジャパン・ケーキショー受賞歴もある武田利秋さんは、弟子たちの作品展での活躍ぶりを「真面目な積み重ねとチャレンジが、結果に出始めた」と喜ぶ。
受賞作品のマジパンと奥田さんの工芸菓子は店内で見ることができる。
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