初の国登録有形文化財 大磯町の旧木下家別邸を答申
文化財などの選定及び文化と芸術全般に関する基本的な事項を調査審議する国の文化審議会は12月9日に開催された同会文化財分科会で、大磯町の大磯駅前洋館について「旧木下家別邸」として国登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申した。大磯町では初の国登録有形文化財(建造物)となる。正式に認定されるのは来年2月の予定。
旧木下家別邸は別荘地大磯に残る数少ない洋風の別荘建築。構造はツーバイフォー工法で、ツーバイフォー住宅としては国内でも最古の部類に相当する大正元年築の建造物とされている。切妻造ストレート葺で左右の屋根上にはドーマー窓(屋根に取り付けられた小さな窓)、各室にベイウインドウ(出窓)が設けられている。
大磯駅前の洋館はイタリアンレストランとして営業されていたが、平成20年に所有者が民事再生手続を開始し不動産競売手続が開始された。平成22年6月に土地は大磯町土地開発公社が買い、建物は町に寄付された。土地買取額は1億5千万円。その後、保全と活用を図るため副町長と町職員で構成された「歴史的建造物保存活用検討プロジェクト会議」や民間の委員と町職員で構成された「歴史的建造物保存活用検討委員会」などで調査研究が重ねられた結果、平成23年5月に基本方針が定まった。
今回の登録は、基本方針に定めた目指すべき事項のひとつだった。そのほかに定められた方針には、町民も利用できる事業形態とし、建物の価値を損なわない活用や大磯のランドマークとしての活用、駅前洋館の魅力をいかした事業展開をし、町の活性化につなげる利活用をするなど基本方針をまとめている。
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