車いすの利用者などにもカートの運転を楽しんでもらおうと、中井インターサーキット(中井町境)が専用のレンタルカートを導入している。貸し出し件数はまだ少ないが、支配人の秋沢匠さん(55)は「障害のある人も、モータースポーツに親しむきっかけになれば」と話している。
専用カートは、ハンドル左奥のアクセルレバーと、右奥のブレーキレバーを指で操作して加速・減速を行う。足元のペダルを使う必要がないため、足が不自由な人でも1周約400mのサーキット場を走行できる。
7・8年ほど前、保有するレンタルカートのうち1台にイタリア製のキットを装着し、障害者用として貸し出しを始めた。秋沢さんによると、同様の車体を導入しているのは三重県の鈴鹿サーキットのみという。
運転は13歳から可能で、排気量90CCの車体は最高で時速約50Kmに達する。全身に風を受け、地を這うような走行感覚から「体感速度は100Km以上」(秋沢さん)と、誰でも疾走感のある運転を楽しめる。
障害者にも趣味楽しむ場を
秋沢さんは20歳のころから4年半を過ごした留学先のアメリカで、車いす利用者の多さを目の当たりにしたという。「当時はまだバリアフリーという言葉を聞くこともなかった時代。なのに車いすを使っている人がたくさんいて、文化の違いを感じた」。健常者と同じように趣味を楽しめる環境が必要という思いが、専用カートの導入につながった。
貸し出し頻度は2カ月に1度ほど。噂を聞きつけて県内や愛知県から訪れる利用者もいるが、「もっと多くの人に障害者用のカートを運転してもらい、モータースポーツの楽しさを知ってほしい」と秋沢さんは話している。
料金は9分間2千円。キッズカートやポケットバイクのレンタルも行っている。
問い合わせは同サーキット【電話】0465・81・1160。
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