二宮西中学校で3日、防災講演会と避難所開設訓練があり、生徒と教員、保護者、地域住民が震災への備えについて学んだ。体育館で段ボール製の間仕切りや簡易ベッドを組み立て、避難者受け入れの手順などを確認した。
地震は365日24時間いつでも起きるかもしれないが、学校に職員がいる時間は22%に過ぎない。誰が避難所のリーダーになるのか。
鎌倉女子大学講師で学校安全教育研究所事務局長の矢崎良明さんが、「私たちの街に迫っている巨大地震」をテーマに講演。東日本大震災で避難所になった小学校の実例を挙げ、「学校の役割は第一に子どもの安全管理と安否確認。避難所運営は地域住民が主体となって担うべき」という考えを示した。
避難所開設訓練では、グループごとに避難者の受付、救護、避難所生活におけるプライバシーを確保するための間仕切り作りを体験。受付カードに名前と住所、家族の人数、健康状態などを記入し、避難者名簿を作成した。町消防本部職員が応急手当の指導にあたり、参加者は心肺蘇生法とAEDの使い方を学んだ。 段ボール製の組み立てキットを使った間仕切りの設置作業では簡易ベッドも完成。横になった男子生徒から「体育館の床の上と比べたら、寝心地がずっといい」と笑みがこぼれた。
4月に熊本地震が発生したことを受け、同校はこれまでの学校地区別懇談会とは内容を変更。中学生と地域の大人を交えた防災学習の機会として、講演会と訓練を実施した。町防災安全課によると、避難所開設の図上訓練はあっても、実践的な訓練は町内では珍しい取り組みではないかという。
「震災は経験したくないが、いざという時に備えて訓練することが必要だ」と中里地区の地区長を務める古川司郎さん。矢崎さんは「避難所に行くのは最終手段。家具の転倒や物が落下する危険性を除き、家が避難所となるような対策をとってほしい」と呼びかけた。
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