二宮町の百合が丘商店街に、空き店舗を改装した共同キッチンが完成した。開発から50年が経過した二宮団地周辺のにぎわいに向け、県住宅供給公社などが地域の憩いの場として整備。キッチンを備えた形態を生かし、利用者が集う囲炉裏端のような存在を目指す。
百合が丘を含む一色小学校区では、高齢化や空き家の増加に伴うコミュニティーの衰退といった課題に取り組むため、町と地域住民、県住宅供給公社が「一色小学校区地域再生協議会」を設立。イベント開催や地域福祉、自然環境の保護といった目的別に部会を組織し、地域の魅力アップに向けて取り組みを進めている。
県住宅供給公社部会では、借り手がつかずにシャッターが閉まった商店街の店舗を、周辺の住民などが共同で利用できる空間にしようと計画。築50年が経った2階建ての住宅付き店舗を、対面キッチンを備えたカフェ空間としてリニューアルした。
フローリングやテーブル、キッチンカウンターには、以前のテナント利用者が残していった杉の建材を再利用し、コンクリートの構造躯体を露出させて現代的なデザインに。店舗のバックヤードとして使われていた屋外スペースにはピザ窯を設置した。2DKの2階部分は部屋の壁を取り払い、13・5帖の広々とした畳部屋に生まれ変わった。
施設は、共用などの意味を持つコミュナルと、食事をする場所のダイニングを組み合わせて「コミュナルダイニング」と命名。部会で取り組む共同農園で収穫した農作物の調理イベントなども企画し、食や地産地消をテーマにした交流の場として活用していく。公社は「友人同士のちょっとした集まりやママ会、パーティーなど、個人や団体を問わず気軽に利用してほしい」と話している。
利用には事前の申請が必要で、光熱費などのランニングコスト程度を徴収する予定。定期利用団体として、百合が丘地区社協部会が12月8日から喫茶店の業態で店をオープンする。営業時間は毎週木曜日の午前10時から午後3時。
問い合わせは同公社県西部団地創生推進室【電話】0463・80・9800。
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