今からちょうど100年前の1920年(大正9年)に当時の大磯町助役が記した日誌の解読文が、1月1日から大磯町郷土資料館のホームページで順次公開されている。ブログ形式で書かれた内容からは、当時の大磯町で起こった出来事などを同館の解説付きで窺い知ることができる。
「100年前の大磯〜小見助役の一日〜」と題し公開されているのは、1915(大正4)年から23(大正12)年までと、24(大正13)年から28(昭和3)年まで大磯町の助役を務めた小見忠滋が記した公務日誌(全7冊)の一部。2012年に大磯町郷土資料館へ寄贈されたこの資料は、関東大震災に関する記述があることから、これまで「震災の記録」として一部が紹介されてきたが、小見が助役を務めた期間の日誌がすべて残っていることから、同館では貴重な郷土資料として全文を解読して発表する機会を検討していた。
現在までに公開されている1920年1月の日誌では当時、全国の学校で元日に行われていた「拝賀式」や現在も続いている消防出初式をはじめ、列車で駅を通過する皇族のお見送りや徴兵名簿への調印などの仕事の様子が書かれ、現代になじみのない事柄については同館による解説が添えられている。同館では「文面から小見助役の几帳面さや中立を保とうとする人柄も垣間見える。今から100年前の大磯で本当にあった出来事として紹介することで読者に親しみをもってもらい、日誌の内容を理解してもらえれば」と話し、今後も日誌の内容を一日ごとに公開していく。
全文の解読進む
当時の文体で書かれた文章を解読しているのは、同館主催の学級・講座「古文書解読クラブ」金曜日の会の会員たち。2016年から解読作業をスタートし、現在は大正9年12月の日誌まで進んでいる。「解読の成果をなんらかの形で発表したい」とウェブ上での公開を企画し、昨年10月頃から会員と同館の学芸員が協力して、公開に向けた準備を進めてきた。これまで解読してきた文章をまとめ、今年から1年分ずつ史料集として刊行していく予定だという。
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