振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害をなくすために、大磯町と二宮町は防犯機能が付いた電話機や録音機器の購入費に対する補助金交付を始めた。購入代金の3分の2にあたる額で、6000円を上限に補助する。
防犯機能付き電話機は、呼び出し音が鳴る前に「通話内容が録音されます」といった警告を相手に出したり、相手や年金支給日などに応じて注意喚起のアナウンスを流したりする。知らない電話番号からの着信を拒否する機能なども備え、固定電話機に外付けできるタイプの機器もある。詐欺の犯人は自分の声を録音されることを嫌うので、電話がつながるのをあきらめるという。
高齢者を狙う特殊詐欺が後を絶たないなか、大磯・二宮両町は防犯電話機の購入費を補助することで、普及促進に役立てたい考え。同様の助成制度は、平塚市や藤沢市、横浜市などでも実施している。
「特殊詐欺の被害者で『詐欺について知らなかった』という人はほとんどいない。知っているのに冷静な対応ができず、だまされてしまうのが詐欺グループの手口の巧妙さ」と大磯警察署の日原修署長は話す。詐欺の被害に遭わないためには、そもそも不審な電話に出ないことだと強調する。
県警「設置後被害者なし」
神奈川県警察の調べによると、防犯機能付き電話機などを設置した人に特殊詐欺の被害は起きていない。設置者アンケートでは回答者の96%が「詐欺の電話がかかってこない」「被害防止の効果があると思う」「機器が付いていると安心できる」と、防犯機器を評価している。
大磯署管内では昨年、13件の特殊詐欺が発生。被害総額は約2650万円に及ぶ。今年は5月21日時点で2件、合わせて約400万円の被害が生じているという。
交付は先着順
補助対象となるのは、両町とも70歳以上の町内在住者。町税を滞納していないことなども含む。全国防犯協会連合会が推奨する電話機または固定電話に設置する機器、それら以外でも同等の機能を備えた機器で、今年4月1日以降に購入したものが条件となる。
補助は1世帯につき1回限り。それぞれの町役場担当課窓口へ交付申請書とレシート、購入した機器の取り扱い説明書などを提出する。大磯町は50人、二宮町は20人まで先着順で申請を受け付け。定員になり次第、終了となる。
2町の担当者は「子ども家族との同居でも日中は高齢者だけが家にいることがある。子や孫の方が防犯電話の設置を手助けしてあげてほしい」「町内の電器店と協力し、電話機を購入する人に防犯電話や補助金について案内してもらえるよう依頼した」と話す。
問い合わせは大磯町町民課【電話】0463・61・4100、二宮町防災安全課【電話】0463・71・3319。
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